
コーチ、平泳ぎのキックで膝が痛くなるんですが、僕はもう歳だから軟骨がすり減ってるんだと思うんですよ。もう仕方ないですよね。

シゲさん、待ってください。歳のせいと決めつけるのはまだ早いですよ。実はその膝の痛み、平泳ぎのキックそのものに原因があることがすごく多いんです。

え、キックのせい?昔からこの蹴り方でずっとやってきたんですけどね。
シゲさんのように「膝の痛み=加齢」と思い込んでいる人は多いのですが、平泳ぎで膝を痛めるスイマーはとても多く、特に膝の内側に違和感を感じる人が目立ちます。年齢だけの問題ではありません。
ポイントは、平泳ぎだけが他の泳法にない横に開く回し蹴りの動きを持っていること。膝関節が本来得意としない方向に力がかかるため、負担が集中するのです。
まず結論|平泳ぎのキックは膝の内側に効く
押さえてほしい要点はこの3つです。
- 平泳ぎのキックは膝の内側に強い負担 → 横に開く回し蹴り動作が原因
- フォームミス・柔軟性不足・筋力不足が主因 → どれか1つでも欠けると痛めやすい
- 痛む部位で原因が違う → まず「どこが痛いか」を把握する
つまり、多くの膝の痛みは加齢ではなく、動きの原因を1つずつ潰せば防げるものなんです。

平泳ぎだけ横の動きが加わるから、膝にストレスがかかるんですよ。ここが今日のキモです。

横の動き…言われてみれば、クロールもバタフライも上下の動きですもんね。横に蹴るのは平泳ぎだけか。

そうなんです。ではまず、なぜ平泳ぎのキックがこれほど膝に負担をかけるのか、動作から見ていきましょう。
平泳ぎのキックは、膝を大きく曲げて外側に開き、そこから強く水を押し出す動作を含みます。この動きは膝関節本来の動きとは違うため、負担がかかりやすいのです。
| 膝に負担がかかる動作 | なぜ負担になるか |
|---|---|
| 膝を90度以上に曲げる | 靭帯や関節に強い負荷がかかる |
| 膝を外側に開く(股関節の外旋) | 内側側副靭帯(MCL)に負担がかかる |
| 足を外側に蹴り出す(回し蹴り) | 太ももの内側の筋肉(内転筋)が引っ張られ膝が不安定になる |

90度以上に曲げて、しかも外に開くのか…。僕は昔『膝はしっかり深く曲げて大きく開け』って教わったんですよ。あれは逆効果だったんですか?

当時はそう言われていたんですよね。でも今は、開きすぎはむしろ怪我のもとだと分かっています。知識も更新されているんですよ。

なるほど…。ずっと信じてきたやり方が違うとは、ちょっとショックですね。
しかもこの動きを1回の練習で何百回も繰り返すため、少しの負担でも積み重なって大きなストレスになります。ここが「昔は平気だった」人ほど後で痛める理由です。

他の泳法と比べると、平泳ぎの膝の負担がどれだけ突出しているか、はっきり分かりますよ。
| 泳法 | キックの特徴 | 関節への負担 |
|---|---|---|
| クロール・背泳ぎ | 上下のバタ足 | 股関節・足首に負担、膝への負担は少ない |
| バタフライ | ドルフィンキック(うねり) | 腰や腹筋を使うが膝へのストレスは限定的 |
| 平泳ぎ | 横に広げる&回し蹴る | 膝の内側に強い負担、怪我のリスクが高い |

こうして並べると、平泳ぎだけ明らかに違いますね…。僕の膝が悲鳴を上げるのも無理はないか。

そうなんです。ただ、原因が分かれば手は打てます。次は、どこが痛むかで原因が変わる話をしましょう。
「膝が痛い」と言っても、痛む場所によって原因はまったく違います。まず自分がどこに痛みを感じているかを把握することが、対処の第一歩です。
| 痛みの部位 | 考えられる原因 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 膝の内側(内側側副靭帯) | 膝を開く動作の負担 | 歩行時や階段の昇降で痛みが出る |
| 膝の前側(膝蓋腱) | 膝の曲げ伸ばしの負担 | キックの蹴り出し時に鋭い痛み |
| 膝の外側(腸脛靭帯) | 繰り返し動作による炎症 | 長時間泳ぐと痛みが悪化 |
| 膝の裏側(半月板の後方部分など) | 強い蹴り出しによる圧迫 | 曲げ伸ばしの際に違和感がある |

僕は膝の内側が痛くなることが多いですね。これはどれに当たるんですか?

それは内側側副靭帯に負担がかかっている可能性が高いですね。膝を開きすぎているサインかもしれません。

やっぱり開きすぎか…。深く広く蹴るのが『力強い平泳ぎ』だと思い込んでました。
痛みが強い場合や長引く場合は自己判断せず、整形外科などの専門家に相談してください。ここからは、痛めやすい人の特徴を3つに分けて見ていきます。
痛めやすい人の3つの特徴
- フォーム:膝を開きすぎ・蹴り出しで膝が伸びきる・足首が硬い
- 柔軟性不足:股関節や足首が硬いと膝にしわ寄せがくる
- 筋力不足:膝周りの筋肉が弱いと関節を守れない

まずフォーム。膝を45度以上開いたり、蹴り出しで膝が伸びきると、衝撃がダイレクトに膝に来ます。

…僕、蹴り出すとき膝をピンと伸ばしきってるかもしれません。力が入っていい蹴りだと思ってました。

それだと膝に衝撃が直撃するので、そこは直しましょう。気づけた時点で半分解決したようなものですよ。
次は柔軟性。膝は「前後の動き」には強いのですが、「ねじる動き」にはとても弱い関節です。股関節や足首が硬いと、その硬さのしわ寄せが膝に集まってしまいます。

膝が痛いのに、股関節や足首の柔軟性が関係あるんですか?僕はずっと膝だけの問題だと思ってました。

そこが盲点なんです。股関節が硬いと膝が余計に頑張らされる。だから膝以外のストレッチが効くんですよ。

なるほど…。膝だけ揉んでても意味がなかったわけですね。
最後は筋力です。膝を守るには、膝そのものより周りの筋肉を鍛えることが効きます。
| 鍛えたい筋肉 | 膝への効果 |
|---|---|
| 内転筋(ももの内側) | キックの安定性を高める |
| ハムストリングス(ももの裏) | スムーズな膝の動きをサポート |
| 大腿四頭筋(ももの前) | 膝への負担を軽減 |
| 足首周りの筋肉 | 正しい蹴りをサポート |

膝を守るのに筋トレか。歳だからと諦めてましたが、これは僕にもできそうですね。

その意気です!膝周りの筋肉を強化すると関節への負担が減るので、年齢に関係なく効果がありますよ。
まず結論|今日のまとめ
- 平泳ぎのキックは膝の内側に強い負担をかけるため痛めやすい
- 特にフォームミス・柔軟性の低さ・筋力不足が原因
- 痛む部位で原因が違うので、まず「どこが痛いか」を把握する
膝の痛みは加齢のせいと諦めるものではなく、フォーム・柔軟性・筋力を見直せば防げるものです。

思い込みを一回捨てて、フォームとストレッチから見直してみます。まだまだ長く泳げそうですね!

その通りです!正しいフォームを身につけて、長く快適に平泳ぎを楽しみましょう。次回は具体的な対処法と予防策をお話ししますね。



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