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息継ぎのたびに体が沈むあなたへ|クロールが軽くなる3つの直し方

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「クロールで息継ぎするたびに体が沈んでしまう」
「呼吸しようとすると、進む感覚が消える」
「呼吸のせいで長い距離が泳げない」

こういう感覚、覚えがある方も多いのではないでしょうか。僕がこれまで多くのスイマーを見てきた経験から言うと、息継ぎで沈む方の多くは「頭の使い方」と「タイミング」のどちらか、もしくは両方に原因があります。

今回は、クロールの息継ぎで体が沈む3つの原因と、それぞれの直し方を、水泳指導者の視点から紹介します。自宅でできる陸トレからプールでの段階的な練習まで、無理なく取り組める順に並べました。

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なぜ息継ぎの瞬間に体が沈むのか

浮力と推進力のバランスが一瞬で崩れる

クロールで気持ちよく泳げているとき、体が浮く力(浮力)と前に進む力(推進力)はバランスを保っています。ところが、息継ぎの瞬間に 頭を持ち上げようとする動き が入ると、こんな連鎖が起きます。

  • 頭が水面より上に出ると、頭の重さで腰や足が沈みやすくなります(シーソーのような関係)
  • ストロークが止まると、推進力が抜けて体が水中で減速します
  • キックが弱くなると、下半身を支える力が消えます

この3つが重なる瞬間が、いわゆる「息継ぎ=沈むタイミング」です。逆に言えば、この3つを意識するだけで体感は大きく変わってきます。

解決のキーワードは「頭は上げない・タイミングを保つ・キックは止めない」

ここからは、3つの原因に分解して、ひとつずつ見ていきます。「全部できないと泳げない」ではなく、気になるところから取り組んでみるだけでも変わりますので、気軽に読み進めてください。

原因①|頭を上げすぎている

よくあるNG動作

息を吸おうとして、こんな動きになっていないでしょうか。

  • 顔を真上に向けてしまう
  • 首を起こしすぎる
  • 頭の位置が水面から大きく離れる

頭が上がると、体は「く」の字に折れた姿勢になります。すると腰や足が一気に沈み、結果として「呼吸するたびにブレーキがかかる」ような泳ぎになってしまいます。

直し方|「上げる」ではなく「横に転がす」

クロールの息継ぎは「頭を上げる」ではなく「横に転がす」感覚が基本です。

  • 顔の片側だけ水面から出す感覚で吸う
  • もう片側の目は水中に残しておく
  • 耳の位置は水面ギリギリのまま
  • 「水面に頬を浮かべる」イメージ

頭を上げなくても、体軸ごと横に回せば口は水面に出てくれます。最初は怖く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、慣れてくると「頭を上げないほうが楽」という体感に変わってきます。

自宅でできる陸トレ

鏡の前でのシャドウ呼吸練習がおすすめです。

  1. 立った状態で前傾姿勢を取ります
  2. 顔を真下に向けます
  3. ゆっくり片側に首を回して(20〜30度程度)、呼吸できる位置を確認します
  4. もう片側の目は鏡を見続けます(=水中に残す感覚)

1日5分でも続けると、体が「上げない呼吸」を覚えてくれます。プールに行けない日の積み重ねが、案外プールでの体感を変えてくれるものです。

原因②|呼吸とストロークのタイミングがズレている

よくあるNG動作

息継ぎを意識しすぎると、こんな動きになりがちです。

  • 腕を回す前に呼吸を取りにいってしまう
  • 呼吸している間、ストロークが止まっている
  • 「呼吸→ストローク」と動作を分けてしまう

ストロークが止まると、推進力が消えて体が水中で減速し、結果として沈みやすくなります。呼吸の動作と腕の動作がバラバラになっているサインです。

直し方|呼吸はストロークに「乗せる」

呼吸とストロークは 同時進行が基本です。右側で呼吸する場合のイメージはこんな感じです。

  • 右手のリカバリー(腕が水中から空中へ)とともに、頭が右に転がる
  • 右手が空中を進んでいる間に呼吸完了
  • 右手が前方に入水する瞬間、頭は元の位置(下向き)に戻る

ストロークの自然な動きの中に呼吸を「乗せる」感覚です。呼吸を独立した動作にしないだけで、止まる時間が消えていきます。

このとき、入水する手の位置や角度も実は大きく関係します。手の入水で姿勢が崩れると、せっかくのタイミングも台無しになってしまうので、入水ポイントが気になる方はこちらの記事も参考にしてみてください。

プールでの段階的な練習

ステップ1:キャッチアップドリル

  • 片手を伸ばしたまま、もう片手だけストロークします
  • 動きが止まらないよう、ゆっくり大きく回します
  • 呼吸タイミングを腕の動きに合わせる感覚が育ちます

ステップ2:3-5-7呼吸

  • 3ストロークごと、5ストロークごと、7ストロークごとに呼吸します
  • 呼吸を「絶対量」ではなく「タイミング」で取る感覚を養います

ステップ3:両側呼吸

  • 左右両方で息継ぎします(3-5ストロークで切り替え)
  • 左右の偏りが減って、姿勢の対称性が整ってきます

苦手な側があるのは普通のことです。最初は3-3呼吸でもかまいません。「両側で呼吸できないとダメ」と気負わず、できる範囲で取り組んでみてください。

原因③|息継ぎ中にキックが止まっている

よくあるNG動作

呼吸の瞬間、意識が頭や腕に集中しすぎて、こうなっていることがあります。

  • キックを蹴る回数が減る
  • キックの幅が浅くなる
  • 完全に蹴っていない瞬間がある

下半身を浮かせる力が一瞬で消えて、息継ぎのタイミングと足が沈むタイミングが重なってしまいます。「呼吸時だけ足が落ちる感覚がある」方は、ここを疑ってみる価値があります。

直し方|キックは「自動運転」にしておく

呼吸中もキックは 一定のリズムで打ち続けるのが理想です。

  • 呼吸動作の最中も、足首は緩めずキープ
  • キックの拍子は崩さない(2ビート・4ビート・6ビートなど、自分のリズムを保つ)
  • 「足は別の生き物」のつもりで、自動運転に任せる

このときに支えになるのが、プル(腕の動き)で水を「引く」感覚です。腕でしっかり水を捉えて引けていると、上半身が前に進む力が生まれて、キックへの意識を残す余裕ができます。プルの考え方が気になる方は、こちらの記事も合わせて読んでみてください。

自宅でできる陸トレ

ベッドでのキックリズム確認:

  1. ベッドにうつ伏せになり、足だけ端から出します
  2. クロールキックの動作を1分続けます
  3. その間に頭を左右に転がします(息継ぎ動作のシャドウ)
  4. キックが止まらないかチェックします

呼吸中もキックを自動継続する」感覚を体に染み込ませる練習です。家でもできるので、テレビを見ながらでも取り組めます。

プールでのキック強化練習

ビート板キック(まずはここから):

  • ビート板を持って 25m × 8〜16本
  • 一定のリズムで打ち続けます
  • 呼吸とキックを切り離す身体感覚が養われます

シュノーケルキック:

  • フロントシュノーケルを装着し、呼吸を意識せずキックだけに集中します
  • 25m × 4〜8本。最後に普通のクロールに戻すと「呼吸時にキックが止まる癖」に気付けます

👉 練習補助具(フィン・シュノーケル等)を探す:

ジュニア・初心者によくある追加の落とし穴

①「吸う」ことに必死で「吐く」を忘れている

水中で しっかり吐ききるのが先です。吸うのは0.5秒でも十分。吐ききれていないまま顔を出すと、短時間で吸わなければいけなくなり、頭が上がる原因にもなります。

②体軸全体ではなく首だけ回している

体軸ローリング(肩や腰も連動して回る)が基本です。首だけ回すと姿勢が崩れて、結局頭が上がる動きになりがちです。

③視線が前(進行方向)に向いている

クロールの基本は 真下、もしくは斜め下を見る視線です。前を見ると顎が上がり、それが頭を上げる動きにつながってしまいます。

まとめ|3つを意識すれば泳ぎは確実に変わる

  • 頭は「上げる」ではなく「横に転がす」(原因①)
  • 呼吸とストロークは同時進行(原因②)
  • キックは呼吸中も止めない(原因③)

この3つを意識して1ヶ月続ければ、息継ぎで沈む感覚はかなり減ってくるはずです。一気に全部直そうとせず、1週間に1つずつ取り組むくらいが現実的でおすすめです。

頑張っているのに変わらないと感じるときは、頑張る方向が少しズレているだけのことが多いです。気になる原因から、ひとつだけ試してみてください。

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