「フォームを直そうと意識しているのに、毎回同じところを注意される」。落ち込んでしまう気持ち、実は頑張りが足りないせいではないんです。今日はそんな悩みを持つユウコさんと、よしのりコーチの会話をのぞいてみましょう。

コーチ、ご相談があるんです。フォームを直そうと意識して泳いでいるのに、毎回同じところを注意されてしまって。

『まだ手が内側に入ってる』『キックが止まってるよ』みたいな感じ?

そうなんです…。ちゃんと直したつもりなのに。私、才能がないのかなって少し落ち込んでしまって。

あー、それはよく分かるよ。でもね、それは頑張りが足りないんじゃないんだ。

まあ、そうなんですか。では、何が原因なのでしょう…。

ズバリ言うと、微調整でなんとかしようとしているからなんだ。修正って『大げさすぎるかな?』くらいでちょうどいいんだよ。
まず結論|修正は「やりすぎかな?」でちょうどいい
よしのりコーチがまず押さえてほしいと言う要点は、この3つだけ。
- 修正は「ちょっと大げさ」くらいがちょうどいい(微調整ではクセは変わらない)
- 違和感がなければ直せていない可能性が高い
- 微調整は選手レベルになってから(一般スイマーはまず振り切る)
いったん振り切ってから戻す。これが修正のコツです。

『振り切ってから戻す』…。直すって、少しずつ調整するものだと思っていました。

そこが落とし穴なんだ。じゃあ、ひとつずつ詳しく見ていこうか。
「違和感」がなければ直せていない

ちょっと想像してみて。クロールで手をグーにして泳ぐと、どうなると思う?

そうですね…水がかけないので、スカスカして進まなそうです。

そう!じゃあ呼吸を、いつもの横呼吸から前を向いた前呼吸に変えてみると?

それはやりにくそうです…。タイミングが分からなくなりそう。私、たぶんうまくできません。

その『やりにくい』『違和感』こそがポイントなんだ。
違和感を感じるのは、普段のフォームと大きく違う動きをしているから。つまりフォームを変えるとは、今までの自分とは違う動作をするということなんです。

あら…では逆に、直したつもりで何の違和感もなかったら…?

察しがいいね。それは、ほとんど変わっていない可能性が高いってことなんだ。
「ちょっと大げさ」がちょうどいい理由
なぜ大げさがいいのか。理由を整理するとこうなります。
- 体が覚えているクセは、微調整ではなかなか変わらない
- 「やりすぎかな?」と思うくらいで、意識的に動作を変えられる
- ほとんどの場合、大げさにやってもフォームが崩れるほどにはならない

たしかに、少し意識しただけでは変わらないものですね…。

水泳のフォームは、何年もかけて体に染みついた動きだからね。ちょっと意識するだけで変えられるほど簡単じゃないんだ。

でもコーチ、私みたいにやりすぎてフォームが崩れてしまったら、逆効果ではないですか…?

その心配は大丈夫!理由はこの3つだよ。
- 本当にやりすぎた場合は、コーチが修正してくれる
- フォームが崩れるほど大げさにやるのは、実はかなり難しい
- 微調整で直せるのはトップ選手のように感覚が研ぎ澄まされた人だけ

一般スイマーや成長途中のスイマーなら、ちょっと大げさにやるくらいがベストなんだ。

なるほど、安心しました。それなら思い切ってやってみていいんですね。
どこを大げさにする?よくある修正の目安

でも『大げさに』と言われても、どこをどう大げさにすればいいか迷ってしまいます…。

だよね。よく注意される代表的なポイントで、“やりすぎかな?”の目安をまとめてみたよ。
| 直したい動き | “やりすぎかな?”の目安 |
|---|---|
| 手を前に伸ばす(グライド) | 「もう届かない」からさらに指先1本分先へ |
| ハイエルボー(ひじを立てる) | ひじを天井に向けて吊り上げるくらい高く |
| ローリング(体の傾き) | 横向きになりすぎかな、と思うくらい肩を入れ替える |
| けのび・ストリームライン | 耳を腕で挟み、頭まで隠れるくらい一直線に |

どれも本番では『ほどよい量』に落ち着くよ。最初から正解の量を狙うと結局変わらないんだ。
最初から正解を狙わず、いったん振り切ってから戻す。これが遠回りに見えて一番の近道なんです。
実践のときのポイント
- 「違和感」を感じるくらい大げさにやる
- コーチや指導者にチェックしてもらう
- 何度も繰り返して「新しい動作」を体に覚えさせる

それなら、次の練習でしっかり振り切ってみます。人と比べて落ち込むより、やってみますね。

その意気だよ。違和感を楽しむくらいの気持ちでいこう。応援してるよ!
『ちょっと大げさにやってみて!』この一言を意識するだけで、今まで直らなかったフォーム修正がグッとスムーズになります。



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