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中高生スイマーが伸び悩んだ時に|部活・成長期・進路と向き合う5つの考え方|保護者の方へ

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「中学に入ってから、伸び悩んでいる気がする…」
「部活と学校の両立で疲れているみたい…」
「成長期で体が変わっているからか、思うように泳げないらしい…」

中高生スイマー本人や保護者の方から、よく聞くお悩みです。

中高生期は、競泳人生の中でも体が一気に変わる時期。同時に、部活・クラブ・学校・進路など、いくつもの選択を同時に迫られる時期でもあります。小学生期とも大人とも違う、独特の難しさがあります。

この記事では、中高生スイマー本人と保護者の方に向けて、僕がこれまで多くの中高生を見てきた経験から、この時期に大切にしてほしい5つの考え方をお伝えします。


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中高生期は「体が一気に変わる時期」と知っておく

中高生期(おおよそ12〜18歳)は、第二次性徴期と呼ばれる体が大きく変化する時期です。具体的には、男子は12〜15歳、女子は11〜13歳ごろに身長急増期(成長スパート)を迎えます。

この時期の特徴は:

  • 身長が急に伸びる(月単位で体の感覚が変わる)
  • 骨と筋肉の成長スピードが違う(柔軟性が一時的に落ちる)
  • 体重・体型が変わる(浮き方や水の感覚が変わる)
  • ホルモンバランスが変動する(精神的にも揺れやすい)
  • 故障リスクが上がる(成長板の負担が大きい)

これだけ体が変われば、「以前は出せたタイムが出ない」「フォームの感覚がずれる」といった現象は当たり前に起きます。

大事なのは、これを「不調」ではなく「成長期の一時的な変化」として理解すること。本人も保護者も「今は変化の時期」と知っているだけで、不安が大きく軽くなります。


考え方① 第二次性徴期は「タイムより成長を優先」する時期

身長急増期は、特に注意してほしい時期です。骨が伸びるスピードに筋肉や腱が追いつかず、急に量を増やすと故障リスクが一気に上がります

この時期によくある故障

  • 水泳肩(スイマーズショルダー):急な伸長で肩関節への負担増
  • 腰痛:腰椎分離症・椎間板ヘルニアのリスク
  • 膝痛:成長板への負担(特に平泳ぎ)
  • シンスプリント(脛の痛み):陸トレでの過負荷

故障してしまうと、回復に数週間〜数ヶ月かかることも珍しくありません。本来この時期に積み上げるべき技術と感覚を養う時間が失われてしまいます。

この時期の考え方

  • タイムが伸び悩んでも焦らない(体が変化しているから当たり前)
  • 故障の小さなサイン(違和感・痛み)を見逃さない
  • 急な量増は避ける(コーチや先生に相談しながら段階的に)
  • ストレッチと柔軟性維持を意識的に(成長期で硬くなりやすい)

体が安定してくる高校後半〜大学ごろには、また再び伸びる時期が来ます。今は「成長を優先する時期」と捉えて、長い目で見守ってください。

故障については競泳選手に多い椎間板ヘルニアもあわせて参考にしてください。


考え方② 部活+クラブ+学校の「練習量過剰」に注意する

中高生スイマーで多いのが、学校の部活+スイミングクラブ+自主練を全部こなして、知らないうちに練習量が過剰になっているパターンです。

過剰トレーニングのサイン

  • 朝起きるのが辛い日が続く
  • 食欲が落ちる・体重が減り続ける
  • 練習中の集中力が落ちる
  • タイムが下がり続ける(回復が間に合っていない)
  • 気分の落ち込み・イライラが増える
  • 怪我・体調不良が頻発する

これらのサインが複数出ているときは、練習量が体の回復力を超えている可能性があります。

対策

  • 1週間にオフ日を最低1〜2日確保
  • 「全部やる」を一度見直す(部活orクラブの優先順位を整理)
  • 朝の体重・体感を記録(蓄積疲労の早期発見)
  • 食事と睡眠の量を増やす(回復への投資)
  • 必要なら休養期間を作る勇気を持つ

保護者の方は、お子さんの体重・睡眠・表情の変化に意識を向けてみてください。本人は「弱音を吐けない」気持ちで頑張りすぎることがあります。


考え方③ 成長期の故障予防は「栄養」と「休養」が鍵

故障を防ぎ、健全に成長するために、中高生期の栄養と休養は練習と同じくらい重要です。

栄養のポイント

意識的に摂りたい栄養素:

  • タンパク質(体重1kgあたり1.5〜2g目安):肉・魚・卵・大豆・乳製品
  • カルシウム:牛乳・小魚・チーズ(成長期の骨形成に必須)
  • ビタミンD:鮭・きのこ・卵黄(カルシウム吸収を助ける)
  • 鉄分:赤身肉・魚・葉物野菜(特に女子は意識を)
  • 炭水化物:練習量に合わせて十分に

特に女子スイマーで月経が始まっている方は、鉄分不足によるパフォーマンス低下に注意が必要です。詳しくは鉄分不足がパフォーマンスに与える影響を参考にしてください。

女子中高生スイマーで月経が止まる・3食しっかり食べているのに体重が増えないなどの症状がある場合は、女性アスリートの三主徴も必ず確認してください(放置は将来的な健康に関わります)。

休養のポイント

  • 睡眠は8時間以上(成長ホルモンが分泌される夜の時間を確保)
  • 就寝時間を一定に(週末も大幅にずらさない)
  • 練習がない日にはスマホ・ゲームより体を休める選択を

「練習量を増やすこと」より「回復を早く完了させること」のほうが、結果的に成長を促進します。


考え方④ 進路選択は「水泳優先」と「学業優先」のバランスで

中高生は、進学(高校・大学受験)という大きな選択の時期でもあります。水泳と学業のバランスをどう取るかは、本人と家族にとって大きな課題です。

考えておきたいポイント

  • 本人の希望を最優先に(水泳を続けたいか・どこまでやりたいか)
  • 水泳推薦・スポーツ推薦の選択肢を早めにリサーチ
  • 水泳と学業の両立校を含めて進路の幅を持たせる
  • 受験期に水泳を一時休止する選択もある(完全引退ではない)
  • 大学・社会人で再開できるのが水泳の強み(マスターズという受け皿あり)

受験期との両立について

無理に両立させようとして両方が中途半端になるのが一番もったいないパターンです。

  • 練習量を維持しながら勉強時間を確保する工夫(練習中の頭はクリア)
  • 受験直前期は思い切って休止(数ヶ月の休止後の復帰は十分可能)
  • 本人の判断を尊重(親が決めると後で後悔する可能性)

水泳は長く続けられるスポーツです。中高生期の数年で全てを決める必要はありません。


考え方⑤ 親子のコミュニケーションが伸び悩み解決の鍵

中高生期は思春期と重なり、親子のコミュニケーションが難しくなる時期でもあります。でも、伸び悩みや故障の原因が「言葉にできない悩み」だったというケースは少なくありません。

保護者の方へのおすすめ

聞き方を変える:

  • 「タイムどうだった?」より「今日の練習で何を意識した?」
  • 「ちゃんと練習した?」より「楽しめた?」
  • 「もっと頑張れ」より「無理しないでね」

避けたい声かけ:

  • 他の子と比較する(「○○くんはもっと速いよ」)
  • 過剰なプレッシャーをかける(「次の大会で絶対勝てよ」)
  • 結果だけにフォーカスする(プロセスを見ない)

本人へのおすすめ

もし伸び悩んでいたり、辛さを感じていたら、ひとりで抱え込まないでください

  • コーチに相談する
  • 保護者に話す(言葉にしないと伝わらない)
  • 友達と気持ちを共有する
  • 必要なら一旦休む選択もOK

「水泳を続けたい」気持ちと、「今は辛い」気持ちは両立します。両方を大事にしてください。


よくあるご質問

Q. 急に伸び悩んできたのですが、フォームが悪いせい?

第二次性徴期に入ってからの伸び悩みは、フォームの問題というより体が変化中の一時的な現象であることが多いです。背が伸びた・体重が変わった・骨格バランスがずれた、などの理由で水中の感覚がずれます。焦らず、体が安定するのを待ちましょう。

Q. 高校受験で水泳を一旦やめたら、もう速くは戻れない?

そんなことはありません。半年〜1年休んでも、体が成長期にあれば再開後にむしろ伸びるケースもあります。受験で本人が望むなら一旦休止する選択は十分にアリです。

Q. 部活と外部クラブ、両方やるべき?

本人の体力と希望次第ですが、両方を100%でこなすのは難しいケースが多いです。過剰トレーニングのサインが出たら、優先順位を整理する勇気を持ってください。

Q. 故障を繰り返すのですが、続けるべき?

故障を繰り返すなら、まず整形外科やスポーツドクターでの正確な診断を受けることをおすすめします。原因を放置して続けると慢性化します。診断のうえで、練習内容・休養・栄養を見直して再発防止のプランを立ててください。


まとめ:中高生期は「土台を強くする時期」

中高生スイマーが伸び悩んだ時に大切にしてほしい5つの考え方をまとめました。

  • ① 第二次性徴期はタイムより成長を優先
  • ② 部活+クラブの練習量過剰に注意
  • ③ 故障予防は栄養と休養が鍵
  • ④ 進路選択は本人の希望を最優先に
  • ⑤ 親子のコミュニケーションが解決の鍵

中高生期は「結果を出す時期」ではなく「土台を強くする時期」。今この時期を健全に過ごすことが、その後の長い水泳人生の質を決めます。

本人も保護者も焦らず、長い目で見守ってください。


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