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夏大会2〜3週間前「テーパー期」の過ごし方|練習量を減らす不安と向き合う5つの意識|マスターズスイマーへ

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「夏大会まであと2〜3週間。練習量がガクっと減って、なんだか不安…」

マスターズスイマーの方からこの時期によく聞かれる声です。

シーズンを通して量的ハード期で土台を作り、質的ハード期でスピードを乗せてきた。そのうえで最後に来るのが「テーパー期」=試合2〜3週間前の練習量を意図的に落とす期間です。

このテーパー期、頭では「必要だ」と分かっていても、いざ練習量が減ると「これで大丈夫?」「弱くなってない?」と不安になる方が多い。実は多くのスイマーが通る道です。

この記事では、僕が現役で泳いできた経験と、これまで多くのマスターズスイマーを見てきた経験から、テーパー期の意味と、自分でできる5つの意識、そしてよくあるNG行動を紹介します。夏大会で力を出し切るために、これからの2〜3週間の参考にしてください。


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そもそも「テーパー期」とは?なぜ練習量を減らすのか

テーパー期とは、試合2〜3週間前から本番にかけて、練習量を意図的に落としていく調整期間のこと。

シーズン全体の流れで見ると、こんな位置づけです。

  1. 基礎期(秋〜冬):4泳法をバランスよく回す
  2. 量的ハード期(冬〜春):距離と本数で土台を作る
  3. 質的ハード期(試合の1〜2ヶ月前):スピードと耐乳酸に絞り込む
  4. テーパー期(試合の2〜3週間前):疲労を抜きながら鋭さを残す ← 今ここ
  5. 試合期:本番

練習量を減らす理由は、シンプルに言うと「ハード期に蓄積した疲労を抜くため」

量的ハード期で頑張った分、筋肉や神経系には目に見えない疲労が溜まっています。これを残したまま試合に入ると、せっかく作った土台が眠ったまま本番を迎えることになる。テーパー期はその疲労を抜いて、本番でベスト状態を発揮するための調整期間です。

「練習量が減る=弱くなる」は誤解で、正しくは「練習量を減らすことで、疲労が抜けて本来の力が出せるようになる」。これを最初に押さえておきましょう。

なお、量的ハード期の取り組み方については夏大会で速くなる練習の取り組み方5原則もあわせて読んでください。土台があってこそ、テーパー期が活きます。


意識① テーパー期の不安は「みんな感じる」と知る

練習量が減って「これで大会大丈夫?」と感じるのは、ベテランのマスターズスイマーでも変わりません。

むしろ、それまで頑張ってきた人ほど、急に練習が減ることに違和感を覚えやすい。「今まで毎日泳いでいたのに、急にこんなに楽でいいの?」「焦って自主練を増やしたほうがいいんじゃ…」という気持ちは、多くの方が経験する感覚です。

でも実は、その「楽すぎる感じ」こそ、テーパー期が機能している証拠です。

不安になるのは普通。自分を責めず、「あ、これ通常運転だな」と受け流して、コーチが組んだ調整メニューを信じて取り組んでみてください。


意識② 量より「鋭さ」にフォーカスする時期

テーパー期に入ると、メニューの傾向がガラッと変わります。

  • 長距離・大量本数 → 短距離・少ない本数
  • ハードな量 → 短くて速い動き
  • サイクル詰め → サイクル余裕+全力スピード

これは「楽になった」のではなく、「量から鋭さへフォーカスを切り替える」タイミングです。

例えば、25m×4本のスプリントが出されたら、本数は少なくてもその4本に全力を出す。50m×6本のレースペース系なら、1本ずつ本気でフォームと感覚を確認する。「速いけど楽に泳ぐ」感覚を取り戻すのが、テーパー期の重要な意識です。

大会で結果を出したい方は、特にこの時期にゴーグルやスイミングキャップなど大会用の装備をチェックしておくのもおすすめです。本番で「ゴーグルが外れる」「曇る」といったトラブルがあると、せっかくの調整が水の泡になります。

飛び込みやターンの衝撃でゴーグルが外れる方には、こちらが定番です(僕自身も愛用していて、レッスンで「飛び込みでゴーグルが外れる」と悩んでいた方全員にお勧めしたところ、誰一人として外れなくなった一品です)。


意識③ 練習を完全に止めない・低強度は維持する

テーパー期=練習量を減らす期間ですが、「完全に休む期間ではない」ことに注意してください。

マスターズスイマーで多いパターンが、「テーパー期だから」と練習をすっ飛ばしてしまうこと。実はこれ、逆効果です。

3〜4日完全に休むと、体は「ずっとこの状態でいいんだ」と勘違いして、ハード期で作った神経系・心肺機能のレベルを少しずつ下げていきます。これをデコンディショニングと呼びます。

テーパー期で大切なのは:

  • 練習頻度は維持する(週3〜5回など普段通り)
  • 1回の練習時間と量を減らす(普段の60〜70%程度)
  • 低強度の動きは入れる(身体を「動ける状態」に保つ)
  • 短く速い動きを少量入れる(神経系を起こしておく)

「練習頻度は変えない、量と強度配分だけ変える」が原則。コーチが軽めの練習を入れているのは、まさにこの理屈です。


意識④ 体重・睡眠・食事の管理が結果を変える

テーパー期は練習量が減るぶん、体調管理の重要度が一気に上がります

食事:練習量に合わせて糖質をコントロール

練習量が減ったのに、食事量を変えないと体重が増えやすくなります。逆に減らしすぎると、レース当日にエネルギー切れを起こします。

目安は:

  • テーパー期の主食は普段の80〜90%程度に
  • たんぱく質は維持(疲労回復に必要)
  • 脂質は普段通り or 少し控えめ
  • 大会3日前からは糖質を意識的に増やす(カーボローディング)

睡眠:8時間以上を確保する

疲労を抜くためにいちばん重要なのが睡眠です。練習を減らしても、睡眠が足りないと疲労は抜けません。テーパー期に入ったら、夜更かしを避けて8時間以上の睡眠を確保するように意識してください。

体重・体感を朝に記録する

テーパー期は朝の体重と疲労感を毎日記録するのがおすすめです。

  • 体重が急に増えた → 食べすぎ or 水分過剰
  • 体重が下がり続ける → エネルギー不足の可能性
  • 朝の体感が「重い」 → 睡眠不足 or 疲労未抜け

シンプルな体重計でも構いませんが、体脂肪率や筋肉量も合わせて見たい方には体組成計が便利です。


意識⑤ 試合前のメンタルとの付き合い方

テーパー期はメンタル的にも揺れる時期です。

  • 練習量が減って不安になる
  • 本番のタイムを意識しすぎて焦る
  • 過去の失敗を思い出してネガティブになる
  • 体重や食事に神経質になりすぎる

これらは多くのスイマーに共通する感覚です。完全になくすことは難しいので、「来るもの」として受け流すのがコツ。

おすすめなのが普段のルーティンを大切にすること。練習前のW-up方法、練習後のストレッチ、寝る前のリラックス時間など、いつもやっていることを継続すると、メンタルの揺れが減ります。

「いつも通り」が、本番で力を出すための最大の武器になります。


マスターズ特有の悩み:仕事との両立で完全テーパーが難しいとき

マスターズスイマーは、現役の競技選手と違って仕事や家庭との両立が大前提です。テーパー期だからといって、急に生活リズムを変えるのは難しいですよね。

大会前の出張・残業・家族のイベントなど、コントロールできない要素もあります。そんな中で、できる範囲で意識してほしいのが:

  • 練習頻度は最低限維持(週3回は確保)
  • 残業が続く週は、強度を下げて動きの感覚キープに集中
  • 移動・出張時もアミノ酸補給で疲労蓄積を防ぐ
  • 週末に少しでも余裕があれば自主練(短時間でOK)

完璧なテーパー期を目指すより、「できる範囲で疲労を抜く・動きを保つ」のが現実的なゴール。マスターズの強みは、長く続けられることです。1試合の結果に固執せず、シーズン全体・人生全体で見ましょう。

練習前後の補食には、アミノ酸入りのコンディショニング系を常備しておくと安心です。

水分補給は試合期間中も含めて重要なので、水泳時の最適な水分補給もあわせてどうぞ。


テーパー期によくあるNG行動3パターン

最後に、テーパー期で結果を落とすNG行動を3つ紹介します。

NG① 不安に負けて自主練を増やしてしまう

「練習量が減って不安だから、自主練で補おう」 — これがいちばん多いNG行動です。

テーパー期に練習量を勝手に増やすと、せっかく抜けかけた疲労がまた溜まります。コーチが組んだメニューを信じて、自主練は低強度のドリルや動きの確認程度にとどめましょう。

NG② 急に新しいフォームや道具を試す

「最後にもう一段階、フォームを変えれば速くなるかも」と試したくなる時期ですが、テーパー期に新しいことは禁物です。

新しいフォームは慣れるまで動きがぎこちなくなり、本番でかえってタイムを落とします。テーパー期は「これまで磨いてきたものを大事にする時期」。新規挑戦は試合後に回しましょう。

NG③ 食事制限を急に始める

「大会前に体を絞ろう」と急に食事制限を始めるのもNG。エネルギー不足で本番に力が出ません。

もし体重を絞りたいなら、それは量的ハード期にやるべきこと。テーパー期は現状維持が基本です。


まとめ:練習量を減らす不安に負けないで

夏大会2〜3週間前のテーパー期、知っておいてほしい5つの意識をまとめました。

  • 意識① 不安は「みんな感じる」と知る
  • 意識② 量より「鋭さ」にフォーカス
  • 意識③ 練習を完全に止めない・低強度は維持
  • 意識④ 体重・睡眠・食事の管理が結果を変える
  • 意識⑤ メンタルは「来るもの」として受け流す

テーパー期は、これまで積み上げてきた土台を本番で発揮するための最後の準備期間です。練習量が減ることに不安を感じるのは普通ですが、それは「テーパー期が機能している証拠」と捉えて、コーチが組んだメニューを信じて取り組んでみてください。

夏大会で力を出し切るために、これから2〜3週間、5つの意識を持って過ごしてみてください。


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