女性アスリートにとって、生理(月経)は競技と切り離せないものです。周期によって体調の感じ方が変わり、それが練習に影響することもあります。
この記事では、生理周期ごとの体の傾向と、練習との付き合い方を整理します。ひとつだけ先にお伝えすると、「この時期は必ずこう」と決めつけるより、自分のパターンを知って、その日の体調に合わせるのが現実的です。

コーチ、生理周期で調子が変わる気がするんです。周期に合わせて練習を変えた方がいいんでしょうか?

体調の感じ方が周期で変わる人は多いですね。ただ、「卵胞期は必ず高強度、黄体期は必ず軽め」と機械的に決める根拠は、じつはまだ弱いんです。それより、自分の体調を記録して、その日の調子で調整するほうが確実ですよ。
先に結論
周期は「決めつけ」より「自分のパターン+その日の体調」
- 傾向:周期で体調の感じ方が変わることがある(ただし個人差が大きい)
- 生理中:無理せず、鉄分・水分を意識。痛みが強い日は軽めに調整
- 考え方:「この時期は必ずこう」という画一的な処方より、自分のパターンとその日の体調で決める
体のリズムは、決めつけずに味方につけるのがコツです。
生理周期の4つのフェーズ(体の傾向)
生理周期は一般に25〜35日で、大きく4つに分けられます。以下は「一般的な傾向」で、感じ方は人によって、また月によって変わります。
| フェーズ | 目安 | 体の傾向 |
|---|---|---|
| 月経期(生理中) | 1〜7日目 | ホルモンが下がり疲れやすい。貧血ぎみになることも |
| 卵胞期(生理後〜排卵前) | 8〜14日目 | エストロゲンが増え、気持ちが前向きになりやすい |
| 排卵期(排卵前後) | 14〜16日目 | ホルモンが変動。人により張りや痛みを感じることも |
| 黄体期(排卵後〜生理前) | 17〜28日目 | むくみや倦怠感、気分の揺れ(PMS)を感じる人も |
周期とパフォーマンスの、本当のところ
「卵胞期は調子がいい、黄体期は重い」と感じる人は多くいます。ただ、周期のフェーズがパフォーマンスにどれだけ影響するかは、研究でも結果が一貫していません。2023年のレビューでは、月経周期のフェーズは筋力の発揮に明確な影響を与えないと報告されており、周期そのものより「個人差」のほうが大きいと考えられています。
つまり、「卵胞期だから必ず追い込む」「黄体期だから必ず抑える」と機械的に決めるより、自分の体調の記録をもとに、その日の調子で強弱をつけるのが現実的です。
生理と水泳
- 生理中の水泳:問題ありません。浮力があるぶん、陸上運動より楽に感じることも
- 用品:タンポンや月経カップを使えば、生理中でも快適に泳げる
- 体調優先:痛みが強い日は、負担の少ないメニューに。休んで回復を優先するのも選択肢
自分のパターンを知る「体調記録」
毎日5秒でいいので、月経の開始日・体調(◎◯△×)・練習の手応え・気になる症状を記録してみましょう。3〜6か月続けると、自分の傾向が見えてきます。スマホの月経管理アプリでも構いません。これは、コーチや婦人科医に相談するときの大事な材料にもなります。
無月経・強い痛みは、我慢せず婦人科へ:生理が3か月以上止まっている、痛みが日常に支障をきたすほど強い、といった場合は、我慢せず婦人科に相談してください。とくに無月経は、女性アスリートの三主徴として骨や将来にも関わるので、早めの対応が大切です。



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