「昔はとにかく泳ぎ込めば体はできた」――そう信じてきた方は少なくありません。ところが年齢を重ねると、その我流がかえって遠回りになることがあります。

コーチ、私はマスターズ水泳を楽しみながら、引き締まった体もキープしたいんです。それに、できれば競技力も上げたい。欲張りすぎですかね?

欲張りなんかじゃありませんよ。最高の目標です。年齢を重ねても、美しく力強く泳ぐことはちゃんとできるんです。

本当ですか。私はもう若くないですし、正直半信半疑なんですが。

本当です。今日は無理なく続けられるトレーニングと食事を、戦略として整理してお話ししますね。
まず結論|水泳+陸トレで体型と競技力を両立
最初に答えを出しておきます。マスターズスイマーの体づくりで大切なのは、次の3つに絞れます。
- 水泳+陸トレで体型維持と競技力を両立する(水泳だけでは鍛えにくい筋肉を陸トレで補う)
- 適切な栄養補給と無理のない習慣(エネルギー不足はかえって筋肉の減少につながる)
- 楽しく続けられる環境づくり(継続こそが最大のカギ)
年齢を重ねても、人は美しく力強く泳ぎ続けられます。

なるほど。水泳だけじゃなく、陸トレと食事もセットというわけですか。

そうなんです。その3つが揃うと強い。では、ひとつずつ見ていきましょう。
1. 体型と競技力の関係

私は昔から、体脂肪は少なければ少ないほど速く泳げると思ってきたんですが、違うんですか?

いい質問です。実は水泳では、適度な体脂肪が浮力を高めてくれるメリットもあるんですよ。

えっ、脂肪が味方になることもあるんですか。それは意外ですね。

ただし過剰だと水の抵抗になってスピードを落とします。だから適正範囲を意識するのが大事なんです。
年代別の目安を表にすると、次のようになります。「とにかく絞る」ではなく、この幅の中に収めるイメージです。
| 年齢 | 健康的な体脂肪率 | 競技レベルの体脂肪率 |
|---|---|---|
| 30代 | 22〜27% | 18〜22% |
| 40代 | 23〜28% | 19〜23% |
| 50代 | 24〜30% | 20〜24% |

競技レベルを目指すなら、やはり体脂肪はどんどん減らすべきなんですかね。

それが、一概にそうとは言えないんです。無理な減量は筋肉量を落として、かえってパフォーマンスが下がることもあります。

40代を過ぎると筋力が落ちやすいというのも、本当なんですか…?

本当です。加齢とともに筋肉量が減って代謝も落ちる。だからこそ、水泳+陸トレの組み合わせが効いてくるんですよ。
2. 週3回でOK|トレーニングプラン

具体的には、どんなトレーニングをすればいいんでしょう。

週3回の水泳+週2回の陸トレ。無理なく続くプランをご紹介しますね。
水泳は3パターンを回します。目的を変えることで、同じ「泳ぐ」でも体への刺激が変わります。
| 回 | 目的 | 主なメニュー |
|---|---|---|
| 1回目 持久力・脂肪燃焼 | スタミナ向上 | W-up クロール400m/ビート板キック50m×6本(休憩20秒)/クロール200m×3本(やや速め・休憩30秒)+背泳ぎor平泳ぎ100m×4本(休憩30秒)/ダウン ゆっくりクロール200m |
| 2回目 スピード・フォーム | 爆発的スピードと美しいフォーム | W-up クロール300m+スカーリング100m/フィンで25m×8本(休憩15秒)/50mスプリント×6本(フォーム重視・休憩40秒)+100m×4本(ターン・プッシュ強化)/ダウン 水中歩行+ストレッチ |
| 3回目 体幹・ターン | ストリームライン向上とキレのあるターン | W-up クロール+バタフライ300m/25mスプリント×8本(フォーム重視・休憩30秒)+ターン練習(壁キック→ドルフィンキック15m)×6本/ダウン 背泳ぎまたは水中歩行200m |

しかし水泳だけでは、やはり足りないものですか。私は泳ぎ込みで十分だと思っていたんですが。

水泳は全身運動ですが、特定の筋肉をピンポイントで鍛えるのは難しいんです。だから陸トレで補う。ここが抜けがちな部分なんですよ。

なるほど、そこが盲点でしたか。
陸トレも2パターン用意します。器具がなくても始められるものが中心です。
| 回 | 狙い | メニュー |
|---|---|---|
| 1回目 体幹・下半身 | 土台づくり | プランク30秒×3セット/サイドプランク左右30秒×2セット/スクワット15回×3セット/ランジ片足10回×2セット/カーフレイズ30回 |
| 2回目 上半身・ストローク | 推進力と故障予防 | 腕立て伏せ10〜15回×3セット/チューブトレーニング(肩のインナーマッスル)各方向20回/リバースフライ(肩甲骨を動かす)15回×3セット |

肩のインナーマッスルまで、ですか。これは水泳の故障予防にもなりそうですね。

まさにそこなんです。鍛えるだけじゃなく、長く続けられる体を守る意味も大きいんですよ。
3. 食事戦略

運動はしているのに、なかなか体脂肪が減らないんですよ…。

それなら食事も見直してみましょう。エネルギー不足は、かえって筋肉の減少を引き起こすんです。
筋肉を維持するための食事ポイントを整理すると、次の通りです。
- タンパク質を十分に(体重1kgあたり1.2〜1.5g/日)…鶏むね肉、卵、魚、大豆製品など
- 良質な脂質を意識…オリーブオイル、ナッツ、アボカド
- 炭水化物も適度に…玄米、オートミール、全粒パン

炭水化物も抜いてはいかんのですか…。私はよかれと思って、ずっと減らしておりました。

抜きすぎは逆効果なんです。適度に摂るのが、実は続けるコツなんですよ。
4. 長く続けるコツ

結局のところ、続けるのが一番難しいんですよね…。

分かります。でもこの3つを意識すれば無理なく続けられますよ。
- 無理をしない…長期的な目線で取り組む。無理な減量や急激な筋トレはNG
- 小さな目標を立てる…「1ヶ月で2秒縮める」「週2回は必ず泳ぐ」など達成しやすく
- 楽しむことを最優先…仲間と練習する、好きな音楽を聴きながらストレッチするなど工夫次第

なるほど、小さな目標からですか。それならできそうな気がしてきましたよ。

その気持ちが一番の燃料です。体調に不安があるときは、専門家に相談しながら進めていきましょうね。
5. まとめ
最後に、今日のポイントをおさらいします。
- 水泳と陸トレを組み合わせ、体型維持と競技力向上を両立
- 適切な栄養補給と無理のない習慣づくりが継続のカギ
- 楽しみながら続けられる環境を作ることが大切
美しく、しなやかに、そして力強く泳ぎ続けるために、今日から始めていきましょう。

ええ、欲張りに、楽しみながら続けてみますよ。ありがとうございました、コーチ。

こちらこそ。次にプールで会うのを楽しみにしていますね。



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