
コーチ、トレーニングでよく聞く「VO2max」って、結局なんなんですか?もう気になって仕方なくて。

いい質問だね。VO2max、日本語だと最大酸素摂取量。運動中に体が取り込める酸素の最大量を示す指標なんだ。

持久力や心肺機能を評価するときに使う数字だよ。
タクミさんは何でもすぐ結果に結びつけたくなるタイプ。だからこそ「これを泳ぎにどう活かすか」を最初に押さえておくと、暴走せずに済みます。

酸素を取り込める最大量…。それ、泳ぎとどう関係するんですか?早く知りたいです。

特に長距離種目や個人メドレーの選手だと、VO2maxの向上がパフォーマンスに直結するんだ。今日はその重要性と上げ方を見ていこう。
まず結論|VO2maxを上げて持久力を伸ばす
細かい話に入る前に、押さえてほしい要点はこの3つです。
- VO2max(最大酸素摂取量)は持久力・心肺機能の指標
- 長距離・個人メドレーで特に重要
- インターバル等のトレーニングで向上できる
VO2maxを意識すると、持久系トレーニングの狙いがはっきりします。

狙いがはっきりするの、めちゃくちゃ大事ですね。じゃあ全部いっぺんに教えてください!

焦らない焦らない。ひとつずつ見ていこうか。そのほうが結局早いよ。
競泳におけるVO2maxとは?
VO2max(mL/kg/min)は、1分間に体重1kgあたりどれだけの酸素を消費できるかを示す数値。心肺機能が高いほど値も高く、長時間高いパフォーマンスを維持できるようになります。

水泳って、陸上のスポーツと違うところあるんですか?

あるよ。競泳は水中運動だから、陸とは酸素供給のメカニズムが違うんだ。

確かに、水の中って息もしづらいですもんね。

そう。水の抵抗や呼吸制限があるぶん、水中で効率よく酸素を使う能力を高めることが求められるんだよ。
競泳選手のVO2maxの目安

ちなみに競泳選手のVO2maxって、だいたいどのくらいの数値なんですか?

種目やレベルで違うんだけど、一般的な目安はこんな感じだよ。
| 区分 | VO2maxの目安 |
|---|---|
| 短距離(50m・100m) | 50〜65 mL/kg/min |
| 中距離(200m・400m) | 60〜75 mL/kg/min |
| 長距離(800m・1500m) | 70〜85 mL/kg/min |
| エリートレベル | 80 mL/kg/min以上 |

長距離の人、こんなに高いんですね。僕も一気にそこまで上げたいです!

その意気は嬉しいけど、いきなりは無理があるよ。数字は積み上げるものだからね。
VO2maxは特に長距離種目で重要ですが、短距離選手にとっても、最大酸素摂取量が高いことは回復力の向上につながります。
競泳におけるVO2maxの重要性
VO2maxが高いと何がいいのか。大きく3つあります。ひとつ目は持久力。一定のペースで泳ぎ続ける能力が上がり、レース終盤でもパフォーマンスを維持しやすくなります。特に400m以上では、VO2maxの高さがレース結果を大きく左右します。
ふたつ目はリカバリー能力。VO2maxが高い選手は、トレーニングやレース後の回復が早く、次の一本のパフォーマンスも保ちやすくなります。
三つ目は効率的なエネルギー供給。水中では酸素供給が制限されるため、酸素を効率よく使える能力が求められます。VO2maxが高いほど供給効率が良くなり、長時間高いパワーを維持できます。

回復力にもパワーの維持にも効くんですね。これはやるしかないでしょ!

そうこなくちゃ。じゃあ、上げ方を具体的に見ていこう。
VO2max向上のためのトレーニング方法

やっぱりガンガン全力スプリント繰り返すのが一番効くんですよね?

そこ、勘違いしやすいところなんだ。VO2maxをいちばん狙うなら、最大より少し抑えた強度を、比較的長めに繰り返すのが目安とされてるんだよ。

えっ、全力じゃないんですか?意外です。

25mや50mの全力スプリント+短い休憩は、スピードや無酸素系への刺激が主とされていて、VO2max向上だけを狙う刺激とは少し性質が違うとされるんだ。
具体例を挙げると、こんなメニューがあります(これらはレース中のスピード持久力を高めるのに役立つとされ、VO2maxを狙う刺激とあわせて取り入れるといいと言われています)。
- 25m全力スプリント+15秒休憩 × 10セット
- 50m全力スプリント+30秒休憩 × 6セット
- 100mハード+45秒休憩 × 4セット
次にテンポトレーニング(サブマキシマルトレーニング)。持久力向上には、VO2maxの70〜90%くらいの強度で長めに泳ぐのも有効とされます。例えば以下です。
| メニュー | 強度の目安 |
|---|---|
| 200m × 6本 | VO2maxの80%を目安に |
| 400m × 4本 | VO2maxの75% |
| 800m × 3本 | VO2maxの70% |

でも「80%」って、プールでどう測ればいいんですか?パーセントなんてわからないですよ。

いいところに気づいたね。%VO2maxはあくまで目安なんだ。

じゃあ現場では何を基準にすればいいんですか?

実際のプールでは、400mと200mのベスト差から出す自分のペース(CSSなど)といった、タイム基準で管理するほうが現実的とされるよ。
三つ目は呼吸制限トレーニング。競泳は呼吸に制限があるぶん、水中での酸素利用効率を高めることが大切です。

呼吸制限トレーニングって、具体的にどんなことするんですか?

こんなやり方があるよ。
- 片側呼吸ではなく3ストローク1呼吸(3回に1回の呼吸)にする
- 50mを2回しか呼吸せずに泳ぐ「ブレスコントロール」
- 100mのうち最初の50mは呼吸制限、後半は通常の呼吸で泳ぐ

ただし息を止めすぎるのは危険もあるから、無理はしないこと。体調に不安があれば専門家に相談しながら進めてね。

わかりました…つい限界まで我慢しちゃいそうなので、気をつけます。
四つ目は陸上トレーニング(ドライランド)。VO2max向上には陸の運動も重要で、特に次が有効とされます。
- ランニング(30分以上の有酸素運動)
- エアロバイク(インターバル形式で高強度に)
- 縄跳び(心肺機能と持久力向上)
五つ目は水中抵抗トレーニング。パドルやフィンで負荷をかけて泳ぐと、より多くの筋肉を使いながらVO2max向上を目指せます。

プールでも陸でも、いろんなアプローチがあるんですね。全部やりたくなってきました。

気持ちはわかる。でも全部一気に詰め込むと痛めるからね。少しずつ組み合わせていこう。
VO2maxの測定方法

ちなみに、自分のVO2maxってどうやって測るんですか?

測り方はいくつかあるよ。大きく分けると直接測定と間接測定だね。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 直接測定 | 研究機関や大学で、トレッドミルやエアロバイクを使い呼気分析で正確に測定 |
| 間接測定 | タイムや心拍から推定。手軽だが目安 |
間接測定には、400mや800mの全力タイムを使う方法や、心拍数と運動強度から推定する方法があります。ただしタイムから分かるのは主に閾値ペース(CSSなど)で、VO2maxそのものとは別の指標とされます。変化を追う簡易な目安として使うのがいいと言われています。

スマートウォッチでも測れますか?それなら毎日チェックできそう!

市販の心拍計やスマートウォッチを使えば、簡易的にVO2maxの変化を追えるよ。数字そのものより、伸びていく流れを見るといいね。
まとめ
VO2maxは競泳選手にとって、持久力やレース後半のパフォーマンスを左右する重要な指標です。特に中長距離種目の選手にとっては、トレーニングでVO2maxを高めることが競技力向上の鍵になります。
向上のためのトレーニングは、次をバランスよく組み合わせることが大切です。
- HIITやインターバルトレーニング
- テンポトレーニング
- 呼吸制限トレーニング
- 陸上での有酸素トレーニング
- 水中抵抗トレーニング
あれもこれも一気にではなく、狙いを意識して少しずつ。それが結局いちばんの近道です。

ありがとうございます、コーチ。さっそくVO2maxを意識したメニュー、取り入れてみます!

その調子。ただし飛ばしすぎ厳禁だよ。一本ずつ丁寧に積み上げていこう。



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