
「お気に入りの競泳水着、すぐ伸びちゃう…」
「半年も使ったらヨレヨレに」
「レース水着は高いから長く使いたい」
競泳水着は消耗品ですが、お手入れの仕方によって生地の傷み方は大きく変わります。とくにマスターズで週に何度もプールに通うと、塩素・摩擦・乾燥(熱)による劣化が積み重なり、気づいたときには伸びて泳ぎにくくなっている——そんな経験をしているスイマーは少なくありません。
この記事では、メーカー公式(花王エマール・ライオンアクロン・デサント・ミズノ等)が案内しているお手入れ方法をベースに、競泳水着の扱い方を保存版でまとめます。3大ダメージ要因・正しいケア方法・NGな扱い・保管法・買い替え判断まで、レース水着を大事に履きたい人、練習用を長持ちさせたい人、両方に役立つ内容です。
関連記事:
競泳水着が傷む3大原因
原因①:塩素ダメージ
プールの塩素は、水着の主素材であるポリウレタン・ポリエステルを少しずつ劣化させます。
- ポリウレタン繊維が硬くなる・もろくなる
- 色落ち・色褪せ
- 伸縮性が失われる(着用時にゆるい・たるむ)
練習1回で目に見えなくても、累積でじわじわ進みます。塩素はプールから上がった時点で水着に残るので、残ったまま放置しないことが寿命の分岐点です。
原因②:摩擦ダメージ
- 水中での体との摩擦
- 着替え時の引っ張り
- プールサイドでの座り方
- 洗濯機での他衣類との擦れ
縫い目のほつれ・生地が薄くなる原因です。
原因③:乾燥・熱ダメージ
- 直射日光での乾燥(紫外線でポリウレタンが分解)
- 乾燥機・ドライヤー(高温で繊維が変質)
- ストーブ前(局所的に熱が加わる)
「早く乾かしたい」が逆効果になる代表的な失敗。ポリウレタンは熱と紫外線に弱い素材です。
練習後すぐにすべき3つのケア
水着の寿命の大半は、プールから上がった直後の扱い方で決まります。
Step 1:水道水で塩素を洗い流す(必須)
プールから上がったら、できるだけ早く真水ですすぎます。シャワー室で水着を着たまま流すのが手軽。塩素を残したまま乾かすほど劣化が進むので、ロッカールームでの真水すすぎを習慣にしてください。
Step 2:脱いだら丸めて放置しない
- 濡れた水着を ビニール袋やジムバッグに丸めて長時間放置しない
- 水気を切って広げ気味にして持ち帰る
- 帰宅後すぐ洗濯へ
濡れたまま密閉して放置すると、雑菌・塩素ダメージ・生地のヨレが同時に進みます。
Step 3:絞らずタオルで挟む
- 「絞る」「ねじる」は繊維にダメージ
- 大判タオルで挟んで水気を吸い取る
- 繊維への負担が大きく減る
正しい洗い方|手洗いが基本

基本の手洗い手順
- 洗面器・桶に 30℃以下のぬるま湯 を貯める(花王エマール・デサント公式が30℃以下を推奨)
- 中性洗剤 を少量入れて溶かす
- 水着を浸して短時間つけ置き(長時間つけ置きは色落ちの原因)
- 軽く押し洗い(強くこすらない)
- 真水で洗剤分が残らなくなるまで複数回すすぐ
- タオルで挟んで水気を取る
洗剤の選び方
水着には 中性洗剤 を使います。アルカリ性洗剤(=ふつうの洗濯洗剤)はポリウレタン繊維を傷め、色落ち・ゴワつきの原因になります。漂白剤・蛍光増白剤・柔軟剤も避けてください(柔軟剤は撥水性能を損ないます)。
頻繁にプールに通うなら:水着専用洗剤
練習頻度が高い人・レース水着を長く使いたい人には、塩素・水垢・油脂汚れを落としつつ、香料・蛍光剤・柔軟剤などの添加物を含まない水着専用洗剤が向いています。
自宅にあるもので始めたいなら:おしゃれ着用の中性洗剤
「専用洗剤までは大げさ」という人は、おしゃれ着用の中性洗剤で十分です。各メーカー公式サイトでも水着への使用が案内されています。
- 花王 エマール — 公式サイトで水着の洗い方を案内
- ライオン アクロン — 公式サイトで水着の洗い方を案内
- 海をまもる洗剤(LifeDirect) — 中性・植物由来・無香・無添加。環境配慮タイプを選びたい人に
使ってはいけない洗剤
❌ アルカリ性洗剤(ふつうの洗濯洗剤・粉末洗剤の多く)
❌ 漂白剤・蛍光増白剤入り
❌ 柔軟剤(撥水・伸縮性能を損なう)
洗濯機を使う場合(あくまで例外)
時間がない練習用水着に限り、洗濯機の使用は可能です。ただし条件を守ってください。
- 必ず 洗濯ネット に入れる(できれば水着用の細目ネット)
- 「手洗いコース」または「ドライコース」を選ぶ(通常コースは禁止)
- 中性洗剤を使う
- 他の衣類と一緒にしない
- 脱水はごく短時間で(長く回さない)
レース水着は 手洗い一択。洗濯機にはかけません。
NGな洗い方・干し方(意外とやりがち)
洗い方のNG
❌ 熱いお湯で洗う → 繊維が縮む・変色
❌ 強くこする・ブラシ使用 → 生地が薄くなる
❌ 絞る・ねじる → ポリウレタン繊維断裂
❌ 石鹸を直接塗りつける → 局所劣化
❌ 長時間つけ置き → 色落ち促進
干し方のNG
❌ 直射日光 → 紫外線でポリウレタン分解
❌ 乾燥機・ドライヤー → 高温で繊維変質
❌ ハンガーに肩で吊るす → 重みで肩・腕ぐりが伸びる
❌ 濡れたまま長時間放置 → カビ・臭いの原因
正しい干し方

✅ 風通しの良い日陰で平干し
✅ 平らに置けない場合は 4つ折りで物干しに掛ける(肩吊しはNG)
✅ 室内干しでも除湿機・サーキュレーターを活用
✅ 乾いたら早めに取り込む(干しっぱなしも紫外線・ホコリで劣化)
保管方法|オフシーズンの管理
短期保管(練習に使う期間)
- 完全乾燥後にたたんで引き出しへ
- 平らにたたみ、上から物を載せない
- 直射日光が当たらない場所
長期保管(オフシーズン・大会後)
- 完全乾燥
- 無臭・通気性のある布袋 に入れる(ビニール袋NG=湿気がこもる)
- 防虫剤と直接触れさせない(化学反応の恐れ)
- 温度・湿度の安定した場所(クローゼット奥がベスト)
水着を持ち運ぶときに便利なメッシュバッグ
濡れた水着を密閉せずに通気させながら持ち帰るには、メッシュバッグが便利です。練習用と大会用を分けて管理するときにも役立ちます。
寿命の目安と買い替えサイン
水着の寿命は素材・使用頻度・お手入れで大きく変わります。一律に「○ヶ月」と言える数字はないので、買い替えのサインで判断するのが現実的です。
買い替えのサイン
✅ 生地が 透けるようになった
✅ 縫い目が ほつれてきた
✅ 着用時に ゆるい・伸びる 感覚
✅ 色が 明らかに褪せた
✅ 着脱時に 生地がベタつく・ゴワつく(ポリウレタン劣化のサイン)
いずれかが出たら買い替えどき。「もったいない」と粘ると、伸びた水着が水中で抵抗を生み、練習効率が落ちます。
素材別のざっくりの傾向
| 水着タイプ | 寿命の傾向 |
|---|---|
| ポリエステル+PBT(練習用) | もっとも長持ちしやすい。塩素・摩擦に強く、ハリの低下が買い替えサイン |
| ポリエステル100%(練習用) | 長持ちしやすい。縫い目の傷みが買い替えサイン |
| ナイロン+エラスタン(練習用) | 肌触りは柔らかいが塩素に弱く、ポリエステル系より寿命は短い傾向 |
| レース用(World Aquatics承認モデル) | 着用回数で考える。生地のハリ・透け感が出たら退役 |
※ World Aquatics は2023年1月に旧FINA(国際水泳連盟)から改名された世界水泳連盟の名称です。
👉 練習用・レース用の選び方は別記事で:
競泳のレース用水着の選び方
正しい練習水着の選び方
マスターズ・愛好家向けTips
長持ちさせるコツ
- 練習用を2〜3着でローテーション — 連続で同じ水着を着ない・洗わないことで乾燥時間を確保し、ポリウレタンの劣化を緩やかにできる
- 大会用と練習用を厳格に分ける — レース用(高速水着)は塩素・摩擦に致命的に弱い。練習で履かない・温泉やジャグジーに入らない・タオルでこすらない
- 大会前のチェック — 試合前日にレース水着を出して、伸び・透け・ほつれを確認。直前で慌てないように
まとめ|小さな手間が水着を長持ちさせる
競泳水着を長く使うコツは、特別なことではありません。
✅ プール上がりに 真水ですすぐ
✅ 家で 30℃以下・中性洗剤・手洗い
✅ 絞らずタオルで挟む
✅ 日陰で平干し(直射日光・乾燥機NG)
✅ 完全乾燥後に 通気性ある布袋で保管
✅ 生地透け・ほつれ・伸びで 買い替え判断
これだけで生地の傷み方は大きく変わります。お気に入りの水着で気持ちよく泳げる時間を、できるだけ長く——。
関連記事:




コメント