
コーチ、少し気になっていることがあるんです。練習前に念入りにストレッチをしているのですが、それでもなんだか調子が出なくて。肩を痛めたこともあって、準備運動が足りていないのかしらと思っていて…。

うーん、それはむしろ逆かもしれないな。ユウコさん、その「練習前のストレッチ」、もしかしてその場でじっと止まって筋肉を伸ばすタイプじゃない?

ええ、アキレス腱や肩を、10秒くらいグーッと伸ばしています。それがよくないのでしょうか?

実はね、練習前にやってはいけないストレッチがあるんだ。今日は「ストレッチの種類」と「いつやるべきか」を整理していこう。これを知るだけでケガのリスクがグッと減るよ。
まず結論|練習前は「動的」、静的ストレッチは運動後に

まず結論からいくよ。押さえてほしいのはこの3つだけなんだ👇
- 練習前の長い静的ストレッチはNG → 直後の筋力・瞬発力が下がりやすい
- 静的ストレッチ → 運動の後に取り入れる
- 練習前は → 動的ストレッチで体を温める
練習前に長く伸ばすほど、直後は力が出にくくなる。

まあ、伸ばすほどいいと思っていました…。「静的」と「動的」では、何が違うんですか?
ストレッチには2種類ある

ストレッチは大きく分けて2種類あるんだ。まずダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)。これは肩回しや足の横振りみたいに、関節を動かしながら筋肉を伸ばすタイプだよ。

もう一つがスタティックストレッチ(静的ストレッチ)。反動はつけずに、一定の姿勢を10~30秒キープして筋肉を伸ばすタイプ。ユウコさんがやってたのはこっちだね。

なるほど、動かすか、止めるかの違いなんですね。

そう。そして練習前にしてはいけないのは、このスタティックストレッチのほうなんだ。
なぜ練習前の静的ストレッチはダメなのか

どうして練習前に静的ストレッチをすると、よくないんでしょう?

静的ストレッチをすると、筋肉や腱がゆるむんだ。筋肉や腱を伸ばして、固く縮まった体をゆるめたり、柔軟性を高めたりすること自体は、運動するうえでとても大事なことなんだよ。

でもね、疲労回復や柔軟性を高める必要があるのは「運動した後」なんだ。運動する前に筋肉をゆるませてしまうと、適度な弾力を失って、本来出せるはずの力が出せなくなってしまう。

つまり、同じ体勢で長く伸ばすほど、直後は筋力や瞬発力が出にくくなるということなんだ。しかも研究では、練習前の静的ストレッチにケガを防ぐ効果はほとんど確認されていないんだよ。

では、ケガや故障が多い方ほど…。

そうなんだよ。ケガや故障が多い人ほど、予防のつもりで練習前に念入りに柔軟体操をやっていることが多いんだ。ただ、それでケガが防げるという証拠は研究では確認されていなくてね。同じ時間を使うなら、体を温める動的ストレッチのほうが理にかなっているんだよ。
練習前はダイナミックストレッチを取り入れよう

それでは、練習前にはストレッチをしない方がいいのでしょうか…?

それは違うよ。あくまで練習前にしてはいけないのは「静的ストレッチ」。練習の準備に必要なのは、体を動かして筋肉を温めることなんだ。静的ストレッチだと、張った筋肉をゆるめてリラックスさせてしまうからね。

だから練習前にはダイナミックストレッチを取り入れるといいよ。体を動かして筋肉の伸び縮みを繰り返しながら温められるから、準備運動としては最適なんだ。

なるほど、動かしながら温めるんですね。今日からやってみます。

ただし一つ注意。動かす方がいいからって、必要以上に反動をつけたり、速く動かしすぎたりするのは逆効果だから気をつけてね。

それと、静的ストレッチは練習前はNGだけど、練習後には必ず取り入れてほしい。そうすれば柔軟性が高まるし、疲れた筋肉の回復も促してくれるからね。

最後に、日本水泳連盟が2011年度フリーリレー強化合宿で行ったダイナミックストレッチの動画を貼っておくよ。練習前のウォーミングアップに役立ててね。
まとめ

よく分かりました。練習前はダイナミックストレッチで温めて、静的ストレッチは練習後に。これならケガも減らせそうですね。

その通り!順番を変えるだけでパフォーマンスもケガ予防もよくなるからね。無理なく続けていこう。





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