
水泳における呼吸の基本
それは、みなさんもご存じのとおり“口から吸って鼻から吐く”です
大人も子供も水泳を始めた時は、この呼吸法をマスターするためにボビングの練習から始めます
水泳では、呼吸を制限された状態で運動しなくてはいけないので、この呼吸が上手にできるかどうかが重要なわけです
でもちょっと待ってください
口から吸って鼻から吐かなきゃダメなの
口から吐いたっていいじゃないか!!
はい、いいですよ!
口から吐いたっていいんです
確かに鼻から息を吐く技術は水泳では重要です
クイックターン時や背泳ぎでの浮き上がりなど、どうしても鼻から吐く動作が必要な場面があるのも事実です
だから鼻から吐く技術は必ず身に着けていなければいけません
しかし、それ以外の場面ではあまりこだわる必要はありません
運動を続けていくと段々と脈も上がり、呼吸も荒くなってきます
そんな中で、ただでさえ呼吸が制限されるスポーツなのに、鼻から息を吐くのは苦しいという人だっているでしょう
それが初心者ならなおさらだと思います
実際に初心者で25m泳げないのは、息が続かないからだという理由を上げる人は少なくありません
他のスポーツで考えてみてください
マラソンをしてて、最初は話す余裕もあったのに、時間がたつにつれそんな余裕もなくなってきました
そんな時に呼吸は鼻からしてますか
鼻呼吸でマラソンなんかしたら、完走できずに酸欠になっちゃいますよね^^;
普通は口から吸って口から吐いていると思います
その方が一度に大量の空気を素早く入れ替える事ができるからです
話を水泳に戻します
初心者、とくに小さい子供や高齢で水泳を始めた方は呼吸筋が発達しておらず、鼻から息を吐こうとしても力不足で息を吐ききることができないことがあります
そうすると、空気の入れ替えがうまくいかず、浅い呼吸を繰り返すことになるので、結果的に苦しくなってしまうのです
そんな時こそ力強く息を吐くことができる口を使えばいいんです
もう何も気にせず思いっきり口呼吸しちゃってください!
また、初心者へのクロールの呼吸の仕方の説明で
「顔をつけたら鼻から少しずつ息を吐くようにしてください」
と言われることがあると思いますが、これも気にしなくていいです
人それぞれ肺活量も呼吸筋の強さも違います
同じタイミングで呼吸したとしても、必ずしも呼吸と肺の残気量が全員一致するとは限りません
そんな時に中上級者の慣れている人たちはどうしているかというと、
・途中まで少しずつ吐いて最後で一気に口からすべて吐く
・一瞬呼吸を止めて吐く時間を遅らせてタイミングを合わせる
など、自分でうまく調節をして苦しくならないようにしています
慣れていない人程習った通りに一定量を少しずつ鼻から吐き続け、タイミングが合わなかったり息を吐ききる力が足りないせいで苦しい思いをしているのです
僕なんかは、あまりキツくない強度で長く泳いでいる時などは、顔を上げる直前まで息は吐かず、顔を上げる時に一気に口から息を吐いてそのまま口から息を吸ったりしています
(ちなみに現役時代、有酸素系の、時間と距離の長いメニューで余裕があるときは、水の中なのをいいことに声出して歌ってましたw)
鼻から息を吐くことで、しっかり息を吐ききれていないのに吸う事ばかりに執着しても空気は満足に吸えません
息を吸うためにはまず、息を吐いて肺の空気をなくす必要がある
こんな当たり前のことを忘れてしまうのが水泳初心者の、水に対する恐怖心と、息を吸いたいという気持ちです
そんなわけで、もし泳いでいて呼吸がうまくできなくて悩んでる方がいたら、
・口から息を吐いてもいい
・タイミングを合わせるには息を止める時間も必要
これらを意識して、呼吸の練習をしてみましょう
今までよりもラクに呼吸ができるようになりますよ♪
ただし、最初にも言った通り鼻から吐く技術は重要なので、必要時にはきちんと鼻から吐く事ができるようになっておいてくださいね!
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