
水泳の練習後、疲労を残さず翌日以降のパフォーマンスを維持するためには、適切なクールダウン(クールダウンスイム)が不可欠です。
クールダウンを怠ると、筋肉の疲労が抜けにくくなり、翌日の練習に影響が出たり、ケガのリスクが高まったりする可能性があります。
本記事では、練習のキツさや疲労度に応じた適切なクールダウンの運動強度・心拍数・ペース・距離の目安について詳しく解説します!
1. クールダウンの目的と効果
クールダウンの主な目的は以下の4つです。
✔ 筋肉にたまった乳酸を排出し、疲労回復を早める
✔ 心拍数を徐々に下げ、心臓への負担を軽減する
✔ 関節や筋肉をリラックスさせ、ケガの予防をする
✔ 副交感神経を優位にし、リラックスモードへ移行する
→ クールダウンを適切に行うことで、疲労回復を早め、次の練習や試合に備えやすくなる!
2. 適切なクールダウンの運動強度・心拍数の目安
クールダウンは、練習の強度や疲労度に応じて適切な強度で行うことが大切です。
強度が高すぎると、疲労が抜けにくくなり、逆に低すぎると乳酸の排出が進みにくくなります。
① クールダウン時の心拍数の目安
練習の強度 | クールダウン時の目標心拍数(最大心拍数の%) | 目標心拍数(例:最大心拍数180の場合) |
---|---|---|
軽めの練習(技術練習など) | 50~60% | 90~108 bpm |
普通の練習(通常の持久力・スプリント練習) | 50~60% | 90~108 bpm |
きつい練習(ハードなスプリント・インターバル) | 50~55% | 90~99 bpm |
✔ 最大心拍数の計算方法 → 220 – 年齢(例:20歳なら 220 – 20 = 200 bpm)
✔ 基本は「50~60%」の強度を目安にし、心拍数を徐々に落ち着かせる
3. クールダウンの適切なペース・距離
① ペース(泳ぐ速さ)
クールダウンは、ゆっくりリラックスしながら泳ぐことが重要です。
練習の強度 | クールダウンのペース(メイン練習比) |
---|---|
軽めの練習 | 普段のスイムの 50~60% のペース |
普通の練習 | 普段のスイムの 40~50% のペース |
きつい練習 | 普段のスイムの 30~40% のペース |
▶︎「会話できるくらいのペース」で泳ぐのが理想!
(息が上がるようならペースを落とす)
② 距離の目安
クールダウンの適切な距離は、その日の練習強度や泳いだ距離によって変わります。
練習の内容 | メイン練習の総距離 | クールダウンの目安距離 |
---|---|---|
軽めの技術練習 | 2000~3000m | 200~400m |
普通の持久力トレーニング | 3000~5000m | 400~800m |
きついスプリント・インターバル | 4000~6000m | 600~1000m |
✔ 泳いだ距離の「10~20%」をクールダウンに使うのが理想
✔ 短距離スプリント系の練習の後は、少し長めにクールダウンを行うと効果的
4. クールダウンにおすすめの泳ぎ方
クールダウンでは、筋肉をリラックスさせる泳ぎ方を選ぶのがポイント!
おすすめの泳法の組み合わせ
状況 | おすすめの泳ぎ方 |
---|---|
疲労が軽い時 | クロール+背泳ぎ |
疲労が中程度 | クロール+平泳ぎ |
疲労が強い時 | 背泳ぎ or キックなしのスイム(負担が少ない) |
✔ 背泳ぎは呼吸しやすく、リラックスしやすいためクールダウン向き!
✔ キックを抑えて、腕の動きだけで泳ぐとよりリラックスできる!
5. その日の疲労度に応じたクールダウンの調整
クールダウンの強度や距離は、その日の疲労度に応じて調整することが重要です。
▶︎ 疲労レベルのチェックポイント
✅ 軽い疲れ(少し息が上がる程度)→ 200~400m
✅ 普通の疲れ(息は整うが、筋肉のだるさあり)→ 400~800m
✅ 強い疲れ(筋肉が張っている・乳酸がたまっている感覚あり)→ 600~1000m以上
→ 筋肉の張りが強い時は「長めに、ゆっくり泳ぐ」のがポイント!
6. クールダウン後のストレッチも忘れずに
クールダウンスイムの後にストレッチを行うと、効率的に身体のコンディショニングができるのでおすすめです。
おすすめストレッチ
✅ 肩回りのストレッチ(肩甲骨を開閉するストレッチ)
✅ 腰・背中のストレッチ(猫のポーズや背筋を伸ばすストレッチ)
✅ 太もも・ふくらはぎのストレッチ(座って伸ばすストレッチ)
✔ クールダウン → ストレッチの流れを習慣化することで、疲労感の軽減やコンディショニングに役立つ!
7. まとめ
✔ クールダウンは心拍数50~60%の強度で行い、徐々に心拍数を落ち着かせる
✔ 泳ぐ距離はメイン練習の「10~20%」を目安にし、練習の強度に応じて調整する
✔ ゆっくりしたペース(30~50%の速さ)で、リラックスしながら泳ぐのが理想
✔ クールダウン後のストレッチも忘れずに行い、身体のコンディショニングをする
適切なクールダウンを取り入れて、翌日の練習や試合に万全の状態で臨めるようにしましょう!
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