
競泳は水中での運動ですが、前回の記事で紹介したように過度な腰の反りや捻り動作の繰り返しによって腰に負担がかかり、慢性的な腰痛や故障を引き起こすことがあります。特に、バタフライや平泳ぎの選手、ターンやスタートの衝撃が強い選手は要注意です。
本記事では、競泳選手が腰の故障を防ぐための対策と予防策について詳しく解説します。
1. 競泳選手が腰痛を防ぐためにできること
競泳における腰の故障は「フォームの乱れ」「筋力不足」「柔軟性の低下」「オーバーワーク」が主な原因です。これらを防ぐためには、次の4つのアプローチが重要です。
✅ 正しいフォームを身につける
✅ 腰を守るための筋力トレーニングを行う
✅ 適切なストレッチで柔軟性を高める
✅ コンディショニング管理を徹底する
2. 正しいフォームを意識する
間違った泳ぎ方は腰への負担を増やすため、フォームの改善が最優先です。
① 腰を過度に反らないキック動作
✅ バタフライや平泳ぎのキックで、腰を反らせすぎず、腹筋を使って推進力を生み出す
✅ ドルフィンキックの振り幅を大きくしすぎない(大きく動かしすぎると腰への負担が増える)
✅ 水面に対して、やや前傾姿勢を意識して泳ぐ
② スタート・ターン時の着水姿勢を改善
✅ 飛び込み時の過度なアーチ姿勢(腰の反り)を避ける
✅ ターン後の浮き上がりで急激に腰を反らないようにする
✅ ドルフィンキックの振りを抑え、体幹を使った動作を意識
3. 腰を守るための筋力トレーニング
腰痛を防ぐには、体幹や股関節周りの筋肉を強化し、腰に余計な負担をかけないことが重要です。
部位 | トレーニング方法 | ポイント |
---|---|---|
腹筋 | プランク | お腹を締め、腰が落ちないように30秒キープ |
背筋 | バックエクステンション | 腰を反りすぎず、背中全体を使う |
骨盤周り | ヒップリフト | お尻をしっかり締めながら持ち上げる |
股関節 | サイドレッグレイズ | 横向きに寝て、片脚を上げる |
体幹 | デッドバグ | 手足を交互に動かしながら体幹を安定させる |
4. 腰に負担をかけないストレッチ
腰痛を防ぐためには、腰だけでなく、周辺の筋肉(股関節・大腿部・背中)をバランスよく柔らかくすることが重要です。
① 腹筋・背筋の柔軟性を高める
✅ キャット&カウストレッチ(四つん這いで背中を丸めたり反らしたりする)
✅ チャイルドポーズ(正座の状態から前に倒れ、腰を伸ばす)
② 股関節の柔軟性を向上
✅ 開脚ストレッチ(座って足を開き、ゆっくり前に倒れる)
✅ ランジストレッチ(片足を前に出し、股関節をしっかり伸ばす)
③ 大腿部の柔軟性を向上
✅ 大腿四頭筋ストレッチ(片足を後ろに引き、膝を曲げた状態で伸ばす)
✅ ハムストリングスストレッチ(長座体前屈で、もも裏をしっかり伸ばす)
5. オーバーワークを防ぐコンディショニング管理
腰の負担を減らすために、トレーニングの強度や回復時間の管理も重要です。
✅ ウォーミングアップをしっかり行う
✅ クールダウンの後にストレッチを取り入れる
✅ 痛みが出たら無理せず休養をとる
また、陸上トレーニングの負荷管理も大切です。
例えば、ウェイトトレーニングで過度な重量を扱うと、腰に負担がかかりやすくなるため、適切なフォームを意識し、体幹を安定させるトレーニングを優先しましょう。
6. まとめ
競泳選手の腰痛を防ぐためには、正しいフォームを意識し、筋力トレーニングとストレッチをバランスよく取り入れることが重要です。
予防策 | ポイント |
---|---|
正しいフォーム | 腰を反らせすぎない・ターン時の姿勢を改善 |
筋力トレーニング | 体幹・股関節の強化(プランク、ヒップリフトなど) |
ストレッチ | 腰・股関節・大腿部の柔軟性向上 |
コンディショニング管理 | 適切なウォーミングアップ・クールダウン |
水泳は全身を使うスポーツですが、腰にかかる負担を軽減することで、より長く快適に競技を続けることができます。日頃からケアを怠らず、腰を守るためのトレーニングとストレッチを意識していきましょう!



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