
水泳に使えるスマートウォッチを探していて、「最近、新しい機種が出ていないのでは?」「Garmin Swim 2 はもう古いのでは?」と感じている方は多いと思います。
結論から言うと、その感覚は半分正しくて、半分は誤解です。「水泳専用機」というカテゴリは、2026年現在ほぼ消滅しました。一方で、水泳機能を内包したマルチスポーツ系スマートウォッチは2024〜2025年に新モデルが続々登場しています。
この記事では、僕がこれまで多くのスイマーを見てきた経験を踏まえて、2026年5月時点で水泳に実用的に使える3機種を価格帯別に整理します。Garmin Swim 2 を検討中の方が次にどれを選ぶべきか、判断材料として読んでいただければと思います。
まず結論|水泳用ウォッチは3機種から選ぶ
結論から言うと、2026年5月時点で水泳に使えるスマートウォッチ選びの要点は次のとおりです。
- 「水泳専用機」はほぼ消滅 → マルチスポーツ機から選ぶ
- コスパ → COROS PACE 3(約3.3万円・30g台の軽量)
- バランス型の主力 → Garmin Forerunner 165(Swim 2 の乗り換え先)
- ハイエンド → Apple Watch Ultra 3(iPhoneユーザー・海まで)
最初の一台に迷ったら、Forerunner 165 を選べば外しません。
ここから、ひとつずつ詳しく見ていきますね。
2026年5月時点・水泳対応スマートウォッチ市場の現実
まず市場の状況から整理します。「最近、水泳用の新製品が出ていない」と感じる方が多いのには、ちゃんとした理由があります。
Garmin Swim 2 は2026年に廃番
長年「水泳専用機の定番」として親しまれてきた Garmin Swim 2 は、2019年10月発売・約6.5年の現役期間を経て、2026年初頭に正式に廃番になりました。Garmin公式サイトから購入ボタンが消え、後継機 Swim 3 のリリース予定もアナウンスされていません。
これは単なる世代交代ではなく、Garminが「水泳専用機」という製品カテゴリそのものを終了させた結果です。今後、水泳機能は Forerunner シリーズや fenix シリーズといったマルチスポーツ機に統合される方針が明確になっています。
水泳専用スマートウォッチという市場は事実上消滅
かつて存在した「水泳専用」のスマートウォッチは、2026年現在ほぼ絶滅状態です。現在水泳をまともに計測できるのは、ほぼすべて「マルチスポーツ系スマートウォッチが水泳機能を内包した形」になっています。
「水泳用の新しいモデルが出ない」という感覚はここから来ています。実際には水泳に使える新機種は出ているのですが、「水泳専用」のラベルを掲げて出てくる製品が無いので、探していると見つけにくく感じるのです。
でも「水泳に使える現役機種」は十分に存在する
マルチスポーツ機を見渡すと、Apple Watch Ultra 3(2025年9月)・Garmin Forerunner 165(2024年3月)・COROS PACE 3(2023年9月)など、現役販売されていてプール水泳に対応した機種は複数あります。
マスターズスイマーの心拍管理や、SWOLF・ストロークタイプの記録といった用途であれば、これらの現役マルチスポーツ機で十分実用範囲です。Swim 2 が無くなった今、そのまま諦めるのではなく、後継的に使える機種を選べば問題ありません。
水泳用スマートウォッチを選ぶときに見るべきポイント
機種比較に入る前に、「水泳目的で選ぶときに、ここは外せない」という要素を整理しておきます。
防水性能(5ATM以上が最低ライン)
プールで使うなら、最低でも5ATM(50m防水相当)が必要です。一般的な日常防水(IPX7など)では、繰り返し水中で使うには不安が残ります。オープンウォーターや海でも使う想定なら、10ATM(100m防水)以上のモデルが安心です。
プール泳ぎ・オープンウォーター両対応
プールではターン検出のために「プールサイズ指定」が必要で、オープンウォーターではGPSログが必要になります。両方の競技モードを持っているか確認しましょう。マスターズで普段はプール、たまに大会でオープンウォーター…といった使い方もここでカバーできます。
SWOLF・ストロークタイプ検出
SWOLF(1往復のタイム+ストローク数)は、フォーム効率の指標としてかなり優秀です。同じタイムでストローク数が減っていれば、効率が良くなった証拠。ストロークタイプの自動検出があると、IM(個人メドレー)練習でもセット別の集計ができて便利です。
水中でも動作する心拍計
水中の光学式心拍計は、空中ほど精度が出ない場合もあります。ただ、レスト中のリカバリー速度や練習全体の負荷把握には十分使えます。完璧な精度を求めず、「目安として上限を超えていないか確認する」用途と割り切るのがおすすめです。
バッテリー
練習中はGPSや心拍計を常時使うため、バッテリーの減りが早くなります。週3〜4回のプール+移動記録という使い方なら、最低でも公称1週間以上のバッテリーがあると充電のストレスが減ります。
コスパ重視で選ぶなら → COROS PACE 3
3つの推薦のうち、まず「価格を抑えつつ、水泳機能はしっかり押さえたい」方への選択肢から紹介します。
COROS PACE 3 の概要
COROS(カロス)はアメリカ発のスポーツウォッチブランドで、近年ランナー・トライアスリート界隈で評価を伸ばしています。PACE 3 は2023年9月発売の現行モデルで、2026年5月時点でもメインラインナップとして販売中です。
価格は約3.3万円。プール水泳プロファイル・SWOLF・ストロークタイプ検出・5ATM防水・水中心拍計と、水泳に必要な機能はひととおり揃っています。
スイマーにとってのメリット
PACE 3 の最大の特徴は30g台の超軽量ボディ。ドリル系のように手の動きを意識する練習では、手首にかかる重さが少しでも軽い方が違和感なく泳げます。長時間つけていても疲れにくいのも利点です。
バッテリーも標準GPSモードで38時間、日常使用で17日間もつので、充電を忘れがちな方でも安心です。
注意点
Suica非対応なので、日常生活でキャッシュレス決済として使いたい方には少し物足りないかもしれません。また、日本での認知度はまだGarminほど高くないので、店頭で実機を試せる場所が限られる点も知っておいてください。
「とにかく水泳の記録に集中したい」「日常時計はスマホで足りる」という方には、コスパ的にもっとも合理的な選択肢です。
バランス型・主力推薦 → Garmin Forerunner 165
3機種の中で、「Swim 2 ユーザーが乗り換え先として一番自然」なのが Garmin Forerunner 165 です。Garmin自身が、廃番になった Swim 2 の流れを引き継ぐエントリー〜ミドルモデルとして位置づけています。
Garmin Forerunner 165 の概要
2024年3月に日本発売。価格は約3.6万円〜(Music版は4.5万円前後)。「ランニングウォッチ」が主軸なので、ランニング指標は強力ですが、水泳プロファイルもしっかり実装されています。
プールサイズ指定式のラップ・レングス自動検出、ストローク数・タイプ検出、SWOLF、自動レスト検出(休息時間を勝手に分離してくれる)、オープンウォーター対応、5ATM防水、水中心拍計と、Swim 2 の主要機能はほぼ網羅しています。
スイマーにとってのメリット
Forerunner 165 の良さは「水泳だけでなく日常生活も含めて使い勝手が良い」点です。AMOLEDディスプレイは明るく、屋外プールでも視認性が高い。Suica対応なのでプールへの行き帰りで財布を出す回数が減ります。
バッテリーは約11日もつので、週3〜4回のプール+ジムでも充電のストレスはほぼありません。「Garminエコシステム(Garmin Connectアプリ・他のGarminデバイスとの連動)」に乗りたい方にもおすすめです。
注意点
あくまで「ランニングウォッチに水泳機能が入った」位置づけなので、Swim 2 にあった一部の細かい水泳指標(ドリル詳細など)は省略されています。本格的にダイビングまでやる方は10ATM防水のモデル(Forerunner 965 や fenix 8)を検討してください。
マスターズスイマーが普段の練習記録・レース前の心拍管理に使う用途であれば、価格と機能のバランスが3機種で一番良いのが Forerunner 165 です。最初の一台に迷ったらこれを選んでおけば後悔しません。
ハイエンド・本気派 → Apple Watch Ultra 3
「予算は気にしない、すでにiPhoneを使っている、生活ツールと水泳ツールを一体化したい」という方には Apple Watch Ultra 3 が最有力です。
Apple Watch Ultra 3 の概要
2025年9月発売。49mmブラックチタニウムケース・GPS+Cellularモデルで12.98万円〜。10ATM防水(WR100)で、プール・オープンウォーターはもちろん、ダイビングまで対応します。
水泳機能はプール泳ぎの自動検出(ストローク種類・セット・スプリット)、オープンウォーターのGPSルートマップ、水温センサー、深度ゲージまで搭載。Oceanic+ アプリを入れればダイブコンピューターとしても機能します。
スイマーにとってのメリット
iPhoneユーザーであれば「すでにある生活ツール」が水泳記録もこなしてくれる、という一体感が最大の魅力です。Appleフィットネス連携で総合的なヘルストラッキングができるので、水泳・ランニング・睡眠・心拍を一元管理したい方にフィットします。
バッテリーは標準で42時間、低電力モードで72時間。練習用途なら充電頻度は他のApple Watch比でかなり低くなります。衛星通信機能があるので、海でのオープンウォータースイミングでも安心感があります。
注意点
価格が13万円超なので、「水泳の心拍管理だけが目的」だとオーバースペックになります。Androidユーザーは選べませんし、ガチのスイミング指標(ドリル自動検出など)はGarmin系より浅めです。
逆に、「日常時計+水泳記録+健康管理+海での冒険」を一台で済ませたい方には、これ以上の選択肢は現状ありません。
Garmin Swim 2 はもう買うべきではないか?
「定番だったし、安く買えるなら Swim 2 でもいいのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。結論としては、これから新品でわざわざ買うのはおすすめしません。
理由は3つあります。1つ目は、すでに発売から6年以上が経過しているので、内部のバッテリー寿命が短い個体に当たるリスクがあること。2つ目は、Garminの公式販売チャネルから外れているため、純正アクセサリーの入手や修理対応がだんだん難しくなっていくこと。3つ目は、Garmin Connectアプリのアップデートで、古いモデルのサポートが順次縮小されていく可能性があることです。
すでに Swim 2 を持っていて快調に動いている方は、無理に買い替える必要はまったくありません。ただ、「これから水泳用スマートウォッチを買うつもりで、Swim 2 を候補に入れていた」方は、Forerunner 165 を後継的な選択肢として検討してみてください。Garmin Connectアプリの操作感はそのままで、UIやバッテリー、画面の見やすさは確実に向上しています。
スマートウォッチを使う前後で気をつけたいこと
機材を選ぶ話の流れですが、ひとつ大事なことを書いておきます。スマートウォッチで取れるデータは、あくまで「練習を客観視するための補助ツール」です。データに振り回されると、かえって練習の質が落ちることもあります。
心拍計は「上限の管理」が基本
水中の光学式心拍計は、ストロークによる手首の動きや水流の影響で、一時的に値が大きくぶれることがあります。そのため、「目標心拍までピンポイントで合わせる」用途には向きません。
あわせて知っておきたいのは、スマートウォッチは医療機器ではないという点です。心拍数や消費カロリーなどの健康に関する数値はあくまで参考値で、体調管理や診断の根拠にするものではありません。気になる症状があるときは、数字を見るより先に休む・専門家に相談する、を優先してください。なお価格やスペックは2026年5月時点のもので、今後変動する可能性があります。
おすすめの使い方は、「上限を超えていないかを確認する」ためのモニタリングです。たとえば、有酸素能力を伸ばす目的のセットで「心拍を160以下に抑えたい」とき、165〜170まで上がっていたら強度オーバーのサインとして次のセットでペースを落とす、という使い方なら誤差の影響を受けにくくなります。
SWOLFは絶対値より「変化」を見る
SWOLFスコアは個人差・身長差・体格差が大きいので、他人と比べる指標ではありません。自分の中で「先月より下がっているか」「同じタイムでストローク数が減っているか」という変化を追うのに使います。
データに振り回されない
毎日記録を取り続けると、調子が悪い日のデータが目に入って気持ちが落ちることもあります。スマートウォッチはあくまで補助なので、「今日はデータを気にせず気持ちよく泳ぐ」という日を週に1日でも作っておくと、続けやすくなります。
練習スタイル別・どれを選ぶか
3機種をどう選び分けるか、よくあるパターンで整理します。
マスターズで週3〜4回・タイム短縮を狙う
→ Garmin Forerunner 165 がもっともバランスが良いです。Garmin Connectでの記録蓄積・心拍ゾーン管理・SWOLFのトレンド把握、すべて必要十分な精度で取れます。Suica対応で日常使いも快適です。
初めての一台・できるだけ安く始めたい
→ COROS PACE 3。3万円台前半で、水泳機能はFRrunner 165と同等レベル。30g台の軽量さは練習中の負担が少なく、バッテリーも長持ちです。
iPhoneユーザー・生活全部を一台で
→ Apple Watch Ultra 3。価格は跳ね上がりますが、水泳・健康管理・通知・決済・電話、全部を1台で完結できます。海でのオープンウォーターまで視野に入る方には特に。
Garmin Swim 2 を持っていて、買い替えに迷っている
→ 今 Swim 2 が動いているなら、急いで買い替える必要はありません。次に故障したタイミングで Forerunner 165 に乗り換えるのが、もっともスムーズです。
練習での使い方|スマートウォッチを活かすドリル例
機種選びの話が続いたので、最後に「買ったあと、練習でどう使うか」を僕の視点でまとめておきます。スマートウォッチは数字を取るだけの道具ではなく、使い方次第でフォーム改善のヒントをくれる相棒になります。僕が普段おすすめしている使い方を、具体的なメニューで紹介します。
SWOLFでストローク効率を確かめる(50m×4本×2セット)
同じペースを保ったまま、1本ごとにSWOLF(タイム+ストローク数)を見比べるドリルです。50m×4本×2セットを、セット内は「できるだけストロークを少なく、でもタイムは落とさない」意識で泳ぎます。SWOLFが下がっていれば、1かきあたりの進む距離が伸びている証拠です。タイムだけ追うと力みがちですが、ストローク数を一緒に見ると「脱力したまま速く」の感覚がつかめます。
心拍を上限管理しながら泳ぐ(100m×6本×1セット)
有酸素の土台づくりに使う練習です。100m×6本×1セットを、レスト20〜30秒で回します。狙いは「設定した上限心拍を超えないペースを最後まで保つ」こと。たとえば上限を決めておき、それを超えそうになったら次の1本でペースを少し落とします。ピンポイントの数値合わせではなく、上限の壁にぶつからないかを見る使い方が、水中の心拍計とは相性が良いです。
ターンとレスト検出でセット練を見える化(200m×3本×1セット)
自動レスト検出のある機種なら、200m×3本×1セットのような距離のあるセットで威力を発揮します。泳ぎとレストを勝手に分けて記録してくれるので、あとから「3本目だけペースが落ちていた」「レストを取りすぎていた」といった崩れが見えてきます。ラップ自動検出が正しく効くよう、ターンの蹴りはしっかり壁を押すのがコツです。
注意点として、数字を取ること自体が目的になると、フォームへの集中が薄れて本末転倒になります。ドリル中は「水の感覚」を第一に、データはあくまで泳ぎ終わったあとの答え合わせとして使ってください。慣れないうちは1回の練習で1つの指標だけを追うと、振り回されずに済みます。
まとめ
2026年5月時点で水泳に使えるスマートウォッチは、「水泳専用機」というカテゴリこそ消えましたが、マルチスポーツ機の中に十分実用的な選択肢があります。
3機種の使い分けを最後にもう一度整理すると、コスパ重視なら COROS PACE 3、バランス型・主力推薦なら Garmin Forerunner 165、ハイエンド・iPhoneユーザー向けなら Apple Watch Ultra 3 です。
Garmin Swim 2 が廃番になり、後継機 Swim 3 が出ない今、Swim 2 ユーザーや「これから水泳用ウォッチを買う」方の標準的な乗り換え先は Forerunner 165 になります。最初の一台に迷ったらこれを選んでおけば外しません。
2025年版のスマートウォッチ&音楽プレイヤー紹介記事を参考にしたい方は、水泳中に使用できるスマートウォッチ&音楽プレイヤーのおすすめ製品(2025年版)もあわせてご覧ください。
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