
~体幹を支えるインナーマッスルの働きを知ろう~
水泳は全身運動といわれますが、実は体幹の安定が大きな鍵を握っています。その中でも特に重要なのが「腹筋群」。ひと口に「腹筋」と言っても、実は4種類の筋肉で構成されています。
今回はそれぞれの腹筋の特徴や働き、水泳においてどのような役割を果たしているのかを詳しく解説します。
4つの腹筋群の種類と役割
腹直筋(ふくちょくきん)

お腹の中央に縦に走る筋肉で、いわゆる「シックスパック」を作る筋肉としても知られています。上体を起こす腹筋運動で主に使われ、筋肉の走行は上下方向。
主な働き
・体幹を前屈させる(上体起こしなど)
・骨盤の位置調整
・腹圧を高める
水泳との関係
ターン動作やドルフィンキック、バタフライのうねり動作などで活躍。キック時の腰の安定や推進力に関わります。
外腹斜筋(がいふくしゃきん)

体の側面にある筋肉で、肋骨から骨盤にかけて斜めに走行しています。左右に体をひねる動きや側屈に使われる筋肉です。
主な働き
・体幹の回旋(ひねり)や側屈
・体幹の安定
・腹圧の調整
水泳との関係
自由形や背泳ぎのローリング動作、バタフライや平泳ぎのターンなど、全ての泳法でのひねり動作に重要。左右のバランスにも関わります。
内腹斜筋(ないふくしゃきん)

外腹斜筋の内側に位置し、逆方向(斜め上から下)に走っています。外腹斜筋と一緒に働くことで、体をより安定的にひねる動きを支えます。
主な働き
・体幹の回旋・側屈
・姿勢保持
・腹圧の維持
水泳との関係
キックやストロークで体の軸を安定させる働きがあります。特に背泳ぎや自由形のようにローリングが重要な泳法では欠かせません。
腹横筋(ふくおうきん)

4つの腹筋群の中で最も内側にあり、コルセットのように体幹をぐるっと囲むように走る筋肉です。いわゆるインナーマッスルの代表格で、動作よりも体幹の安定性を支える役割が強い筋肉です。
主な働き
・腹圧の調整
・内臓の保護
・姿勢保持
水泳との関係
水中姿勢を維持し、無駄なブレを抑える役割を果たします。特に長距離種目では腹横筋の持続的な収縮がパフォーマンスに直結します。
水泳動作と腹筋群の関係
水泳では常に腹筋群を複合的に使っており、それぞれが役割を分担しながら働いています。
- キック動作:腹直筋と腹横筋で体幹を固定し、腰から下を安定させる
- ローリング動作:外腹斜筋と内腹斜筋が連動し、左右への回旋をコントロール
- ターン・壁蹴り:腹直筋の爆発的な収縮が必要
- ストローク時の軸保持:腹横筋の持続的な緊張が姿勢を維持
このように腹筋群は“縁の下の力持ち”的存在で、どの種目でも不可欠な働きをしています。
腹筋を理解すると練習効果が上がる!
4つの腹筋群はそれぞれ独自の働きを持ち、互いに連携しながら泳ぎを支えています。つまり、これらの筋肉を意識したトレーニングを行うことで、フォームの安定や効率的な力の伝達が可能になるわけです。
水泳上達のカギは「姿勢保持」と「軸のブレの少なさ」。そのためには体幹、特に腹筋群の理解と強化が欠かせません。
4つの腹筋群それぞれをただしいトレーニングできちんと強化し、泳力アップにつなげていけるように頑張りましょう!
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