
水泳って全身を使うスポーツですよね。だから「バランスよく筋肉がついてるはず」と思われがちですが、実は意外とそうでもないんです。
フォームの癖や呼吸の習慣、日常生活のちょっとした動作が原因で、知らないうちに筋肉の左右差(アンバランス)が生まれてしまうことがあります。しかもそれが、泳ぎに悪影響を与えたり、故障につながったりすることも。
今回はそんな「筋肉の左右差」がスイマーにどんな影響を与えるのか、分かりやすく解説していきます。
筋肉の左右差があるとどうなるの?
左右差があることで起こることは、大きく分けて以下の4つです。
✅ 泳ぎのバランスが崩れてまっすぐ進みにくくなる
✅ 無駄な力を使うのでパフォーマンスが下がる
✅ 肩や腰など関節に負担がかかりやすくなる
✅ 長く続くと姿勢がゆがんでしまう
たとえば、クロールで右手のかきが強すぎると、左手はそれに合わせて補おうとします。結果、どちらの手にも無理がかかって効率の悪い泳ぎになってしまうんですね。
よくある左右差の原因
では、そもそもどうして左右差が生まれるのでしょうか?
いくつかの例を見てみましょう。
原因 | 内容 |
---|---|
片側呼吸のクセ | 呼吸する側の筋肉ばかりが発達しやすい |
手足の使い方のクセ | 片方の足だけよく蹴る、片手でばかりかく など |
日常生活の動作 | カバンをいつも同じ手で持つ、片足に体重をかけて立つ など |
怪我の影響 | 過去の故障をかばう動きが定着してしまっている |
このように、特別なことをしていなくても、日常のなかで少しずつ筋肉のバランスが崩れていくことはよくあります。
放っておくと起こるトラブル
「ちょっとくらい左右差があっても大丈夫じゃない?」と思うかもしれません。でも、長い目で見るといろいろな問題が出てくる可能性があります。
❶ フォームが崩れる
左右の力がバラバラだと、フォームがどんどん不安定になってしまいます。「なぜかまっすぐ泳げない」「タイムが安定しない」と感じているなら、左右差が原因かもしれません。
❷ 怪我のリスクが上がる
肩や腰、ひざなどに偏った負荷がかかりやすくなり、インピンジメント症候群(肩の痛み)や腰痛、腸脛靭帯炎など、スイマーに多いケガの原因になることも。
❸ 姿勢がゆがむ
筋力バランスが崩れると、背骨や骨盤の位置がずれて、猫背や反り腰、肩の高さの違いなど、姿勢のゆがみにつながることがあります。こうした姿勢の乱れは泳ぎだけでなく、普段の体調にも影響することも。
特に気をつけたいのは成長期のスイマー
小中高生のスイマーは、筋肉も骨もまだ発達途中です。この時期に偏った使い方をしてしまうと、左右差が定着しやすくなり、大人になってもバランスが戻りにくくなってしまいます。
また、成長痛や姿勢の崩れも重なりやすく、側弯(そくわん)などの問題が出ることもあるため、早いうちからの気づきと対応が大切です。
まとめ
筋肉の左右差は、泳ぎやすさや速さだけでなく、ケガや姿勢にも関係する大切なポイントです。
✅ 「フォームが不安定だな」と感じる人
✅ 「よく同じところが痛くなるな」と思っている人
✅ 「日常生活でいつも同じ動作をしてるな」と気づいた人
こうした方は、まず自分の体の使い方を見直してみるといいかもしれません。
左右差はすぐには直らないかもしれませんが、気づくことが第一歩です。「なんとなく泳いでいる」のではなく、自分の体としっかり向き合って、バランスのとれたスイミングを目指しましょう。
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