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なぜ水泳では「プル(PULL)」と呼ぶのか?水を“押す”のではなく“引く”という理解の大切さ

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押すと引くをイメージした五臓

「水をかく動作=プル」と聞いたことはあっても、実際にその意味を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。

手で水を押す」ではなく、「水を引く
これが水泳でいう「プル(PULL)」の本質です。

今回は、この「プル」という動作について、なぜそう呼ぶのか、どう動かすべきなのか、さらにフォーム全体にどのような影響があるのかまで、しっかりと解説していきます。


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プル(PULL)は「引く」動作

まず、英語の「pull」には「引っ張る」「引く」という意味があります。

水泳における「プル」とは、前方に伸ばした腕で捕えた水を後方へ“引く”動作のこと。
特に、手を水中に入れてから体の横あたりまで水をかいてくる局面(キャッチから中間地点まで)が「プル」に該当します。

つまり、プルとは…

水を“押す”のではなく、“手でとらえて体の方に引き寄せる”動作

泳ぐ際に、進行方向と反対に水を引くことで、その反動として体が前に進むのです。

プルという言葉の由来と動作の位置づけ

「プル(pull)」という言葉は、英語で「引っ張る」「引く」という意味があります。
水泳におけるプルも同じく、腕で水を自分の方に引き寄せる動作を指します。泳ぎの中で体を前に進めるためには、水を後方に押し出すような動きが必要ですが、その際に「押す」よりも「引く」意識の方が重要になるのです。

実際、1回のストロークは次の3つの局面に分けて考えることができます。

  • キャッチ(Catch)
     水に手を入れて、水をとらえる瞬間。
  • プル(Pull)
     水を体の方に「引いて」くる動作。推進力の大部分を担う最も重要なフェーズです。
  • プッシュ(Push)
     腕を伸ばしながら、手を後方へ押し切る動作。

このうち、プルは体の前方から胸の横あたりまでの動作を指し、最も大きな力を使う局面です。
英語圏の水泳指導において、この「引く」動作を pull と表現したことが、世界的にも定着しました。


なぜ「押す」ではなく「引く」なのか?

ここが多くの人が勘違いしやすいポイントです。

水泳では「水を後ろに押して進む」と考えがちですが、実際はそれだけでは不十分です。

  • 手のひらで水をとらえる
  • その水を自分の体の方に引き込むように動かす

このとき、実際に水に「反力」を生み出しているのは、「押す」よりも「引く」動作です。
これは、手が水を引っかけるように動き、広背筋や上腕の筋肉で水をコントロールすることにより推進力が生まれるためです。


広背筋で「水を引く」

上級者の泳ぎをよく観察すると、肘を高く保ちつつ、肩から腕を使って「ぐっと水をつかむ」ように泳いでいます。

この「つかむ→引く」動作は、主に広背筋(背中の大きな筋肉)が使われており、腕の力だけではないのです。

✅ 手先ではなく、体幹に近い筋肉で引くようにかくこと
✅ 肘が立っていて、水が逃げない形になっていること

この意識をもつことで、腕の動きがより効率的になります。


プルが崩れると「プッシュ」も使えない

よくあるミスとして、プルの途中で肘が早く伸びてしまうという問題があります。

これは、「引く(肘を曲げる)」動作をせずに、いきなり「押す(肘を伸ばす)」動作をすることによって起こります。

本来は…

  1. 手で水をキャッチ
  2. 肘を立てて水を引く(=プル)
  3. その後、腕を伸ばしながら後方に押し切る(=プッシュ)

という流れが正しいのですが、プルがうまくできていないと、ッシュに入る前に肘が伸びてしまい、水を逃してしまうのです。

つまり、良いプッシュを生むためには、まず良いプルができていることが大前提なのです。


「手でかく」ではなく「引いて進む」

水泳初心者にありがちなのは、「手をバタバタ動かして水を押す」ことに意識が向いてしまうことです。

でも実際には…

手は“水を後ろに押すため”にあるのではなく、
“自分の体を前に引き込むため”のツールです。

この視点で泳ぎを見ると、泳ぎの中でどこで力を入れるべきか、どこでリラックスすべきかが明確になります。


まとめ:プルを理解すれば泳ぎが変わる

  • プルとは、「水を引く」動作。手でとらえて体の方に引き寄せること。
  • 推進力の鍵は、押すのではなく「引く」ことで生まれる。
  • 広背筋など大きな筋肉を使い、肘を高くして水をとらえるのが理想。
  • プルが崩れると、プッシュの効きも弱くなる。
  • 「押す」感覚より、「引いて自分を進める」感覚を意識しよう。

💡このように「プル」の本当の意味を理解するだけでも、泳ぎの質は大きく変わります。
今までただ腕を回していた人も、ぜひ一度「引いて進む」感覚を意識してみてください。

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