
多様性という言葉がよく聞かれるようになった昨今ですが、ついに時代はここまで来たか!という衝撃的なニュースが世間を騒がせています。
「ドーピングを使ってもOK」――そんな前代未聞の水泳大会が、ついに来年アメリカで開催されます。
来年5月に薬物容認大会 陸上、競泳、重量挙げの3競技を実施 世界記録保持者も参加表明
日刊スポーツ
超高額賞金・薬物使い放題の「ドーピング・オリンピック」ついに開催地が決定
Yahoo!ニュース
みなさんはこのニュース、どう思いますか?
今回は、この“ドーピングOK”大会の概要と、水泳界やスポーツ界全体に与える影響、考えられるメリットとデメリットなどをまとめてみました。
ドーピングOKの大会、その名も「エンハンスド・ゲームズ」
2026年5月、ラスベガスで開催されるのは「エンハンスド・ゲームズ」という新しい国際大会。
この大会の最大の特徴は、ドーピング(競技力を高める薬物や医療的処置)の使用が“公認”されていることです。
競技種目には短距離走や重量挙げと並び、水泳も正式種目として実施されます。
水泳で実施される種目は50mと100mの自由形及びバタフライ。
選手たちは自分の体を“科学の力”で強化し、限界を突破したスピードやパワーで世界記録を競い合うことになります。
「薬で速くなる」のは是か非か?大会が目指すもの
大会主催者によると、「これはスポーツと科学の新たな革命」だそうです。
なんと薬物や先進的な医療技術を堂々と活用し、人間の限界を押し上げる“超人アスリート”の時代を切り拓こうという既存のスポーツ界では考えられないコンセプト。
選手は
- 自然な状態
- 独自の強化プログラム(ドーピングなど)
- 臨床試験段階の新薬
のいずれかを選んで出場可能。
もちろん、従来のようなドーピング検査はなく、逆に「何を使っているか」を公表するルールになっているみたいです。
五輪入賞者が薬物&全身水着で“非公式”世界新記録
実際にすでに著名な水泳選手の出場表明や“超人記録”の誕生も話題となっているようです。
それは、2024年パリ五輪競泳男子50メートル自由形で5位となったギリシャのゴロメーフ選手(31歳)。
彼は薬物を使用し、さらに現在世界水泳連盟では認められていない全身型水着を着用。
そのうえで50メートル自由形を20秒89で泳ぎ、「09年に樹立された公式世界記録(20秒91)」を非公式ながら更新したと発表しています。
賞金も破格、世界記録でボーナス1億円!
エンハンスド・ゲームズでは賞金も桁違い。
一種目あたり最高50万ドル(約7000万円)、さらに水泳の50m自由形や陸上100mで世界記録を更新すると、なんと100万ドル(約1億4000万円)のボーナスが用意されています。
これによって、トップアスリートたちの「挑戦してみたい!」というモチベーションも相当高まることが予想されます。
世界の反ドーピング機関が一斉に警鐘「選手の命を危険に晒す大会」
この大会について、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)や各国の反ドーピング機関は強く非難しています。
WADAは「エンハンスド・ゲームズは危険で無責任なコンセプトだ」と声明を出し、「選手の健康と福祉が最優先であり、この大会はそれを危険にさらす。深刻な副作用や死亡例も過去に多数存在する」と強調しました。
米国反ドーピング機関(USADA)のトラビス・タイガートCEOも「原則よりも利益を優先する危険な道化芝居だ」と強い表現で批判。
オーストラリアのスポーツ・インテグリティ・オーストラリア(SIA)も、大会への参加は選手生命を脅かすと警告しています。
メリットとデメリットを水泳目線でまとめてみた
ここでは感情論や道徳論をいったん横に置いて、冷静に「メリット」と「デメリット」を整理してみます。
メリット
- 人間の限界が見える!
薬や最新技術でどこまで速く泳げるのか、記録の天井が一気に押し上げられるかもしれません。 - 隠れた不正がなくなる?
“全員ドーピングOK”なら、こっそり薬を使った人が得をする不公平がなくなります。 - 医学・バイオテクノロジーの発展
安全に使う方法や効果、副作用のリアルなデータが得られる可能性も。
デメリット
- 健康被害のリスク
いくら医学的に管理されるとはいえ、薬の副作用や長期的な健康被害は避けられません。死者や重い後遺症も過去には起きています。 - スポーツの本質が変わる
練習や努力よりも「どんな薬を使うか」「どれだけ資金があるか」で勝負が決まる可能性も。 - 一般社会への波及リスク
「薬で強くなるのが当たり前」という風潮が、子どもや一般層にまで広がる心配があります。
水泳ファンとしてどう考える?
水泳は「技術・努力・体力の結晶」と言われるスポーツです。
薬物OK大会が誕生することで、これまでの水泳界の価値観や美学が根底から揺らぐかもしれません。
一方で、「科学の進歩を競技に活かすのはアリ」という考えも全く理解できないかというと、一部理解できる部分もあります。
ただ、健康や安全、スポーツ本来の面白さを守るためには、どこまで許容するのか――これは本当に難しい問題です。
まとめ:あなたはこの大会、アリだと思う?ナシだと思う?
ドーピングOKの水泳大会「エンハンスド・ゲームズ」。
「人間の限界に挑戦」というロマンも、「健康やスポーツ精神への懸念」も、どちらも現実的なテーマです。
あなたはどう思いますか?
エンハンスド・ゲームズについて、より詳しく知りたい方は公式サイトもチェックしてみてください。
エンハンスド・ゲームズ公式サイト(英語)
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