
競泳におけるクイックターンやバサロは、効率的な泳ぎを実現するための重要な技術です。
しかし、多くの人が経験する問題の一つが「鼻から水が入る」こと。この問題は特定の練習を行うことで改善可能です。本記事では、原因とその具体的な対処法を詳しく解説します。
1. なぜ鼻から水が入るのか
① 呼吸のリズムが乱れている
- クイックターンやバサロ中に息を止めると、鼻腔内の空気圧が下がり、水が入りやすくなります。
② 鼻呼吸の不足
- 鼻から息を吐く感覚が身についていないと、無意識に息を止めてしまい、鼻に水が侵入します。
③ フォームの乱れ
- 頭や体の位置が不安定だと水流が鼻に入りやすくなります。
- 特に頭が高すぎたり、角度がずれていると鼻への水の侵入が起きやすくなります。
2. 対処法と練習法
① 鼻から息を吐き続ける感覚を身につける基本練習
方法:水中泡吐き練習
- プールの浅い部分で顔を水に浸けます。
- 鼻から「フーッ」とゆっくり息を吐き、泡を出し続けます。
- 息を吐き終わる前に顔を上げて口で息を吸います。
ポイント
- 泡が切れないように意識し、吐く速度を一定に保つ。
- リラックスして行い、息を吐ききらないようにします。
② クイックターンやバサロを想定した応用練習
方法:回転動作での鼻呼吸練習
- プールの浅い場所で壁を使い、前方回転の動作をゆっくり行います。
- 回転中は鼻から息を吐き続け、泡を出し続けることを意識します。
- 回転後に息を吸い直し、リズムを整えます。
ポイント
- 最初は速度を抑え、鼻呼吸に集中します。
- 慣れてきたら徐々にスピードを上げ、実践的な動作につなげましょう。
③ 鼻呼吸を安定させるためのトレーニング
方法:ストロー呼吸法
- ストローを口にくわえ、ゆっくり息を吐く練習を行います。
- 次にストローを外し、鼻から同じように息をゆっくり吐きます。
- 吐く時間を徐々に延ばし、10秒以上の持続を目指します。
効果
- 鼻呼吸のリズムと持続力を鍛え、ターンやバサロ中の息吐きを安定させます。
④ ノーズクリップ(鼻栓)の活用
鼻栓は一時的に鼻から水が入るストレスを軽減し、フォームや動作に集中するのに役立ちます。
方法
- 鼻栓をつけた状態でクイックターンやバサロの練習を行います。
- 鼻から水が入る心配をなくしつつ、呼吸のタイミングや動作に集中します。
- 慣れてきたら徐々に鼻栓を外し、鼻呼吸に切り替えます。
注意点
- 鼻栓に完全に依存せず、補助具として使用することを心がけましょう。
⑤ 横隔膜を鍛える呼吸筋トレーニング
方法:腹式呼吸トレーニング
- 仰向けに寝て、片手を胸、もう片方をお腹の上に置きます。
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹を膨らませます。
- 鼻または口からゆっくり息を吐き、お腹を凹ませます。
目標
- 吸う・吐くそれぞれに5~10秒以上かけられるようにする。
⑥ 水中での持続力トレーニング
方法:水中バブル練習
- プールの浅い部分で鼻から泡を出し続けながら壁を蹴って進みます。
- バサロの動作を取り入れ、泡が切れないように意識します。
- 息が尽きる前に顔を上げて吸気します。
ポイント
- 泡が止まらないことを最優先に練習する。
- 距離や時間を徐々に伸ばしていく。
⑦ 正しいフォームの習得
フォームが崩れると鼻に水が入りやすくなるため、以下を意識しましょう。
クイックターン時の頭の位置
- 頭を軸に回転し、首をリラックスさせる。
- 頭がぶれると水流が鼻に入りやすくなるため、安定性を保ちます。
バサロ中の体の角度
- 頭が高すぎたり低すぎたりしないよう、水流に対して平行を保つ。
3. 練習を続けるためのアドバイス
- リラックスを心がける
水中で緊張すると呼吸が乱れやすくなるため、リラックスした状態で練習しましょう。 - 短時間の練習から始める
最初から長時間続けようとせず、短い時間の練習を積み重ねることが重要です。 - 休憩を取り入れる
息を長く吐く練習は疲れやすいため、適切に休憩を挟むことで集中力を保ちます。
4. まとめ
クイックターンやバサロで鼻から水が入る原因は、呼吸リズムの乱れやフォームの崩れ、鼻呼吸の未熟さにあります。これらの問題は、基本的な呼吸練習から段階的に改善できます。
焦らず練習を続け、段階的に実践的な動作と結びつけることで、鼻から水が入る問題を克服しましょう。正しい呼吸リズムとフォームを身につけることで、快適なクイックターンやバサロを実現し、水中でのパフォーマンスをさらに向上させましょう!
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