
コーチ、相談があります。50を過ぎてからマスターズで競技にも挑みたいのですが、若い頃のつもりで泳ぐと、肩や膝が痛くて…。この歳から競技なんて、無謀でしょうか。

とんでもない。シゲさん、その「体の声に気づけている」ことこそ、長く泳ぐ人の一番の武器ですよ。

武器、ですか。気持ちは若いつもりでも、体は正直ですね。

おっしゃる通りです。50代は攻め方さえ変えれば、競技も健康維持も十分に両立できますからね。
50代からのマスターズ水泳でつまずきやすいのは、若い頃と同じ練習を続けてしまうこと。体は変化しているのに、練習が変わっていないのです。
でも見方を変えれば、「無理なく長く」こそ50代の勝ち筋。ここからは、そのための具体策を一緒に整理していきます。
まず結論|50代は「攻めすぎず、長く」が勝ち筋

急いでいる方のために、要点を先にまとめますね。
- 50代はトレーニングと回復のバランスが鍵
- 若い頃と同じ練習は怪我のリスク。フォームと効率を優先
- スプリントもやめず、頻度を抑えて刺激だけ残す
タイムを削るより、ラクに長く泳げる体をつくる——それが50代の近道です。

「攻めすぎず、長く」ですか。それを聞いて、少し肩の力が抜けました。
まず知っておきたい「50代の体」の変化
50代になると、筋力や柔軟性が少しずつ低下し、回復にも時間がかかるようになります。水泳は関節にやさしい運動ですが、無理な動作を重ねると、痛めやすい場所があります。
| 痛めやすい部位 | 起こりやすい不調 | 対策 |
|---|---|---|
| 肩 | インピンジメント(腱のこすれ・炎症) | フォード改善・肩のインナー強化 |
| 膝 | 痛み(特に平泳ぎ・ターン) | 無理な蹴り・ひねりを避ける |
| 腰 | 腰痛 | 体幹を保ち、反りすぎない |

私が痛めるのは、決まってターンの時なんです。あれは負担がかかっていたんですね。

動きのクセが出やすいところですからね。逆に言えば、そこを意識するだけでもだいぶ変わりますよ。

鍛えたらしただけ強くなる、という頃とは違うわけですね。

まさにそこです。鍛える日と休む日、その両輪が揃って、初めて体が応えてくれるんです。
無理のない水中メニュー(1回の目安)
では実際の泳ぐメニューです。飛ばさず温め、効率よく泳ぎ、刺激は少しだけ——この順番が体にやさしいです。
| パート | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| ウォームアップ | 軽いクロール200m → バタ足・スカーリング100m → フォームスイム200m | 15〜20分 |
| メイン(有酸素) | ゆったり泳ぐ800〜1500m + 100m×8本(休憩20秒) | 30〜45分 |
| スプリント | 50m×4本(休憩30〜45秒)/25m×6本(休憩20秒) | 15〜20分・週1〜2回 |

スプリントは、もうやめたほうがいいのかと思っていました。

やめなくて大丈夫です。頻度を週1〜2回に抑えれば、刺激として残せますからね。大事なのは力任せより効率——同じ距離をラクに進める泳ぎを覚えると、体の負担がぐっと減りますよ。

なるほど、力任せではなく効率ですか。それなら長く楽しめそうです。
陸でできる補強(週2〜3回)
水中だけでなく、陸の補強を少し足すと、筋力の維持と怪我の予防になります。重い負荷はいりません。ゆっくり丁寧に、が50代のコツです。
| ねらい | 種目 | 効果 |
|---|---|---|
| 体幹 | プランク30秒×3・サイドプランク左右30秒・ドローイン | 姿勢が安定し腰の負担が減る |
| 柔軟 | 肩甲骨まわし(タオル)・股関節ストレッチ・ふくらはぎ伸ばし | 肩や膝の可動域が広がる(ターンにも効く) |
| 筋力 | ゆっくりスクワット10回×2・かかと上げ・チューブで肩のインナー | 泳ぎに必要な力を保つ |

先ほど気にしていたターンにも効くんですね。さっそく肩まわりからやってみます。

ぜひ。痛みが出たら無理をせず中止してくださいね。続けることが何よりの力になりますから。
まとめ

最後に、今日の要点をもう一度。
- 50代は回復とのバランス。鍛える日と休む日を両輪で
- 痛めやすい肩・膝・腰はフォームと補強で予防
- タイムより効率のよい泳ぎ。スプリントは頻度を抑えて残す
- 痛みが出たら無理せず、必要なら専門家に相談を

攻め方を変えれば、この歳でもまだやれるんですね。希望が湧いてきました。ありがとうございます。

こちらこそ。焦らず、長く。水と付き合っていきましょうね。



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