
スタートやターン後の潜水(ドルフィンキック)はタイム短縮の鍵となる重要な技術です。
特に、背泳ぎやバタフライでは潜水の長さと質が記録に大きく影響します。
この記事では、効率的な潜水能力向上の練習法を詳しく解説します。
1. 潜水能力向上に必要な要素
潜水能力を向上させるには、以下の4つの要素をバランスよく鍛えることが重要です。
- 肺活量と呼吸制御(長く息を止める能力)
- ドルフィンキックの効率(水中での推進力)
- ストリームラインの最適化(水の抵抗を最小限にする技術)
- メンタルとリラックス技術(パニックを防ぎ、落ち着いた動作を維持)
2. 潜水時間を延ばすための練習
① 肺活量を増やす呼吸トレーニング
目的:
水中での酸素利用効率を向上させ、より長く息を止められるようにする。
1. ボックスブリージング(Box Breathing)
- 方法:
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 4秒間息を止める
- 4秒かけて息を吐く
- 4秒間息を止める
- このサイクルを5分間繰り返す
- 効果:
- 酸素の効率的な利用を習得
- 心拍数を落ち着かせ、長く息を止められるようになる
2. CO₂耐性トレーニング
- 方法:
- 普通に呼吸をしながら25m泳ぐ
- 次の25mを3ストロークに1回の呼吸で泳ぐ
- 次の25mを5ストロークに1回の呼吸で泳ぐ
- 最後の25mを10ストロークに1回の呼吸で泳ぐ
- 効果:
- 体内の二酸化炭素(CO₂)耐性を向上させ、息苦しさを軽減
- 水中でのリラックスができるようになる
3. フルブリージング(Full Breathing)
- 方法:
- 鼻と口から一気に最大限吸い込む(横隔膜を最大限拡張)
- ゆっくり長く吐き出す(時間をかける)
- これを10回繰り返した後、息を吸った状態で水中に潜る
- 効果:
- 一度の呼吸で酸素を最大限取り込む習慣が身につく
3. 水中ドルフィンキックの改善
② ドルフィンキックの技術向上
目的:
効率的な水中ドルフィンキックを身につけ、少ないキック回数で長く進めるようにする。
1. フィンを使ったキックトレーニング
- 方法:
- フィンをつけた状態で15m潜水キック×5セット
- 25mドルフィンキック(呼吸なし)×3セット
- 徐々にフィンなしでも同じ距離を泳げるようにする
- 効果:
- 水を強く押す感覚を養い、キックの推進力を高める
2. うねり動作の改善
- 方法:
- 壁を蹴った後、2秒間まっすぐ伸びる(ストリームラインを意識)
- 腰を起点としたしなやかな動きでキックを行う
- 小さく速いキックではなく、大きくゆったりしたキックを意識する
- 効果:
- エネルギー効率の良いキックを習得し、疲れにくくなる
3. ドライランドでの体幹強化
- 方法:
- プランク(1分×3セット)
- ヒップリフト(15回×3セット)
- バタ足腹筋(20回×3セット)
- 効果:
- 体幹を強化し、キックの安定性を向上
4. ストリームラインの最適化
③ 抵抗を減らす姿勢の改善
- 方法:
- 壁を蹴った直後に肩を耳につける(手が広がらないようにする)
- 背中を丸めず、体を一直線に保つ
- 肘や膝を曲げない
- ドリル:
- ストリームラインのまま15mグライド×5セット(キックなしで進む感覚を習得)
- 鏡を見ながら陸上でストリームラインを確認
- 効果:
- 水の抵抗を減らし、潜水距離を伸ばす
5. メンタルとリラックス技術
④ 潜水中のストレス軽減
- 方法:
- 目を閉じる or 水の流れに集中する(余計な力を抜く)
- 「水に溶け込む」イメージを持つ
- 潜水中の心拍数を意識的に落とす(焦らずリズムを整える)
- 効果:
- パニックを防ぎ、安定した潜水を実現
6. 実践的な潜水トレーニングメニュー
種類 | 練習内容 | 回数 |
---|---|---|
呼吸制御 | ボックスブリージング | 5分 |
CO₂耐性 | 3ストローク→5→10ストローク呼吸制限スイム | 5本 |
潜水キック | フィン付き15m潜水×5本 | 5セット |
体幹強化 | プランク1分×3セット | 3セット |
ストリームライン | 15mグライド×5本 | 5セット |
メンタル | 潜水中の呼吸制御(リラックス練習) | 5分 |
まとめ
潜水能力を高めるには、肺活量の向上、キックの効率化、ストリームラインの最適化、メンタル強化をバランスよく鍛えることが不可欠です。各トレーニングを組み合わせて実践し、長く速い潜水を身につけましょう。
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