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試合で力を出せない子へ|保護者にできる声かけと試合後の接し方

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ユウコさん
ユウコさん

コーチ…うちの子、練習ではいいタイムが出るのに、試合になると全然実力が出せないんです。見ている私のほうがもどかしくて。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

そのお気持ち、よく分かります。本番で泳ぎが崩れる背景には、緊張、期待、会場の雰囲気、経験、体調など複数の要因があります。「練習不足」や「メンタルが弱い」だけで説明しないことが大切です。

ユウコさん
ユウコさん

そうなんですか?私、てっきりうちの子はメンタルが弱いのかなって、ずっと思い込んでました…。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

そこを決めつけないことが大事です。今日は、僕が子どもたちを見てきた経験に加えて、若い選手への保護者の関わり方に関する研究も踏まえ、家庭でできることを整理しますね。

本番で力が出ない理由は一つではありません。「メンタルが弱い」と決めつける前に、緊張の強さ、当日の体調、会場への慣れ、本人が気にしていることを順に確認しましょう。

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まず結論|あなたの役割は「安心の土台」になること

  • 本番で力が出ない理由を性格の弱さ一つに決めつけない
  • 見えた行動を具体的に伝え、本人がどう感じたかを聞く
  • 他の子と比べない。過去の記録は責める材料にしない
  • 普段から使っているルーティンを保ち、当日に新しい指示を増やさない
  • 技術はコーチと本人に任せ、家庭では話を聞ける場所をつくる

保護者の役割は結果を操作することではなく、子どもが自分で次の行動を選べる土台をつくることです。

保護者が担う3つの役割

聞く・普段の流れを保つ・本人が決めた一つを確認する

  • 試合前:「今日、コーチと決めた一つは何?」と確認する
  • 試合直後:評価より先に「今は話したい?あとにする?」と聞く
  • 帰宅後:本人が話し始めたら、見えた行動と感じたことを一緒に整理する
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「力が出せない」のは緊張のサインかもしれません

練習通りに泳げない時、緊張やプレッシャーは考えられる要因の一つです。心拍が上がり、注意が結果へ向きすぎると、いつもの動きや呼吸のリズムが崩れることがあります。ただし、体調や準備、技術的な要因も含めて確認が必要です。

ユウコさん
ユウコさん

言われてみれば…大人の私でも人前だと緊張しちゃいますもんね。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

そうなんです。緊張の出方には個人差があります。大切なのは、泳げなかった結果だけを見て「メンタルが弱い」と性格の問題にしないことです。

ユウコさん
ユウコさん

緊張すること自体は、悪いことじゃないんですか?私、緊張=ダメなことだと思ってました…。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

緊張は、大事な場面で体が準備しようとする自然な反応です。適度なら集中につながることもありますが、強すぎると動きや呼吸のリズムを乱します。「緊張しても大丈夫。今日は何を一つ意識する?」と受け止めると、次の行動へつなげやすくなります。

感じ方には個人差があります。まずは「緊張しているんだね」と否定せずに受け止め、そのあとで本人が今日意識したいことを一つ確認します。

結果ではなく「取り組み」を認める

ユウコさん
ユウコさん

試合のあと、つい『何秒だった?』『ベスト出た?』ってタイムから聞いちゃうんです。これって…よくないですよね、やっぱり。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

タイムを聞くこと自体が悪いわけではありません。ただ、最初から結果だけを評価するより、本人がコントロールできた行動や感じたことを一緒に振り返るほうが、次の目標を自分で考えやすくなります。

ユウコさん
ユウコさん

具体的には、どんな声かけをすればいいんでしょう?私、うまく言える自信がなくて…。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

例えば「最後まで腕を回していたね」と見えた事実を伝えてから、「自分ではどうだった?」と聞いてみてください。何でも褒めるより、具体的な行動を認め、本人の言葉を待つほうが会話になります。

保護者が具体的な行動を認め、本人の考えを聞く関わりは、自分で次の目標を選ぶ助けになります。反対に、結果だけで評価したり叱責したりすると、失敗への不安を強める可能性があります。

他の子と比べず、過去の記録は責める材料にしない

ユウコさん
ユウコさん

実は…『あの子はもう1分切ってるのに』とか、つい言っちゃうことがあって。励ますつもりだったんですけど、逆効果だったんでしょうか。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

他の子との比較や、「去年のほうが速かった」と責める言い方は、プレッシャーになりやすいです。一方、過去の記録は本人が振り返りたい時には役立ちます。比較そのものではなく、誰が何のために使うかが大切です。

ユウコさん
ユウコさん

そうだったんですね…。よかれと思ってたのに。私、知らないうちにプレッシャーをかけてたのかも。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

気づけた時点で大きな一歩です。成長のペースには個人差があります。今日うまくいかなかった理由も、本人とコーチが次に試す材料として扱えば、失敗だけで終わりません。

まずは他人との比較を外し、本人がその日に選んだ行動へ目を向けます。過去の記録を見る時も、責めるためではなく、本人とコーチが変化を確かめる材料として使いましょう。

つい言いがちな言葉言い換えたい声かけ
何秒だった?ベスト出た?最後まで腕を回せていたね
あの子はもう1分切ってるのに今日は緊張の中でちゃんと出場できたね
去年のほうが速かったね自分では今日の泳ぎ、どう感じた?
速く泳ぎなさい今日、自分で意識したことは何だった?

いつも通りのルーティンが落ち着きを生む

試合前のアップ、補食、招集所での過ごし方など、普段から練習しているルーティンは、注意を「今やること」へ戻す助けになります。ただし、試合当日に保護者が新しいルーティンを追加するのではなく、本人とコーチが使っている流れを保ちましょう。

ユウコさん
ユウコさん

親の私も、何か特別なことをしてあげたほうがいいんでしょうか?何もしないと、なんだか不安で…。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

特別な励ましを増やすより、本人が試合前に何を望んでいるかを確認しましょう。「静かにしてほしい」「いつも通り話したい」など、必要な距離感は子どもによって違います。普段から使っている流れを保つことが助けになります。

「自分でできること」に意識を向けさせる

タイムや順位は完全にはコントロールできません。一方、本人とコーチが決めた一つの合図や、招集までの準備など、「今、自分でできること」へ注意を戻すことはできます。保護者は技術課題を追加せず、その一つを確認する役に回りましょう。

ユウコさん
ユウコさん

じゃあ声かけも『速く泳ぎなさい』じゃないほうがいいんですね?

よしのりコーチ
よしのりコーチ

そのとおりです。技術の指示を保護者が新しく加えるのではなく、「今日、コーチと決めた一つは何?」と確認する程度にします。本人が選んだ短い合図なら、行動へ戻りやすくなります。

ユウコさん
ユウコさん

私が直すことを決めるのではなく、子どもが決めた一つを確認するんですね。それならできそうです。

続けるコツと、家庭で気をつけたいこと

長く水泳を楽しんでもらうために、家庭で気をつけたいことをまとめます。どれも「頑張らせる」ではなく「安心して帰ってこられる」ための工夫です。

  • 過度な期待や叱責を避ける。「絶対ベストを出して」ではなく、本人が決めた行動を確認する
  • 技術や練習の指導はコーチと本人に任せる。家庭では新しい修正点を増やさない
  • うまくいかない日は、すぐ評価せず「今は話したい?あとにする?」と本人に選んでもらう
  • 睡眠・食欲・腹痛や頭痛・学校や練習への強い回避が続く場合は、根性論で押さず相談する

相談の目安

試合の不安が日常生活まで続く時は、場数や根性だけで解決しようとしない

睡眠や食欲の変化、繰り返す腹痛・頭痛、学校や練習への強い回避、パニックのような症状が続く場合は、本人の話を聞き、コーチ、かかりつけの小児科、心理職などへ相談してください。自分を傷つけたいという発言がある場合は、すぐに医療機関や地域の緊急相談先へつないでください。

ユウコさん
ユウコさん

家では泳ぎを直すより、まず本人の話を聞く。必要な技術はコーチと相談する、ですね。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

そうです。試合経験を重ねることで落ち着く子もいれば、慣れるまで時間がかかる子もいます。強い不安や体調不良が繰り返す時は、本人の話を聞き、コーチと対応を相談しましょう。日常生活にも影響する場合は、医療や心理の専門家へつなぎます。

ユウコさん
ユウコさん

今日からは、結果を決めつけず、まず本人がどう感じたかを聞いてみます。私のほうも少し肩の力が抜けました。

よしのりコーチ
よしのりコーチ

それで十分です。保護者が答えを先に決めず、話を聞ける場所でいてくれることが支えになります。一緒に長く水泳を楽しんでいきましょう。

結果を急いで直すより、本人の言葉を聞ける普段通りの場所でいることが、次の挑戦を支えます。

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