「よし、始めるなら一気にやってやせるぞ」——そう意気込んでプールに来たタクミさん。でも実は、その飛ばしすぎこそが40代・50代の運動再開でいちばんつまずくポイントなんです。

コーチ、僕もう40過ぎたんですけど、今から泳いで一気に体を絞りたいんです。どのくらいハードにやればいいですか?

タクミさん、その気持ちはうれしいんですけど…まず「一気に」を少し手放しましょうか。

えっ、この年齢だともう手遅れってことですか?

逆ですよ。結論から言うと、40代・50代こそ水泳は始めやすい運動なんです。
まず結論|飛ばさず、無理なく続けるのが最短ルート
タクミさんのように前のめりな人ほど、先に「ゴールと目安」を握っておくと暴走せずにすみます。大事なところは次の5つです。
- 水泳は浮力で膝や腰への衝撃が少なく、体力に自信がなくても始めやすいとされています
- 体重が大きく減らなくても、血圧・血中の脂質・心肺機能といった健康面での利益が期待できるとされています
- 目安は週2〜3回・1回30〜60分。何より「無理なく続けられること」が最優先
- ダイエットが目的なら、食事の見直しと組み合わせるのが前提
- 落ちやすい筋肉のために、週2回ほどの軽い筋トレを添えるとより健康的とされています
40代・50代こそ、水泳は始めやすい。週2〜3回・無理なく、食事の見直しと軽い筋トレも添えていきましょう。

体重を一気に落とすことだけが目的じゃないんですね…そこしか見てませんでした。
40代・50代に水泳が向く理由
タクミさんが「ハードに」と言いたくなる気持ちの裏には、たぶん陸の運動でのしんどさがあります。ここが水泳との大きな違いです。

ウォーキングやジョギングは、着地のたびに体重の何倍もの力が関節にかかるんです。

あー、走り込んで膝を痛めたこと、正直あります。

水の中は浮力が働くので、関節への衝撃が少なくてすむ。だから運動再開に向いているとされているんですよ。
しかも腕も脚も背中も、水の抵抗を受けながらゆっくり動かすので、特定の場所だけに無理がかかりにくい。泳ぐこと自体が呼吸を整えるリズム運動になり、続けやすいんです。

それにね、水泳の価値は「やせること」だけじゃないんです。

え、やせる以外に何かあるんですか?

体重があまり変わらなくても、血圧や血中の脂質、心肺機能といった面で健康上の利益が得られるとされています。
どんな効果が期待できる?
「一気に絞りたい」タクミさんが見落としがちなのが、体重計に出ない変化です。目に見える効果と、じわっと効く効果を分けて整理しておきましょう。
| 見える効果 | じわっと効く効果 |
|---|---|
| 体型が少しずつ変わってくることがある(個人差あり) | 血圧・血中の脂質・心肺機能への良い影響 |
| 運動単独での減量幅はわずかとされる | 階段で息が切れにくい・疲れにくいなど日常の調子 |

でも僕、やっぱり体型がガッと変わらないと物足りなくて…。

正直に言いますね。運動だけで体重を大きく落とすのは難しくて、食事の見直しと組み合わせるのが前提なんです。

うっ、耳が痛い…食事は全然気にしてませんでした。

だから「泳いでるのにやせない」と落ち込む必要はないんですよ。運動と食事、両輪で考えればいいだけです。
無理なく始める・続けるコツ
ここからがタクミさんの本番。始める前のセルフチェックだけは、飛ばさないでください。

持病があったり、薬を飲んでいたり、運動中に胸の痛みや動悸を感じたことがある方は、始める前にかかりつけの医師に相談しておくと安心です。

年齢に関係なく、再開のときの基本なんですね。そこはちゃんとやります。

回数と時間の目安は、週2〜3回・1回30〜60分。最初は短めでかまいません。

えー、30分だけ?僕、初日から2時間くらいいけそうな気がしてます!

そこですよ、そこ。『物足りないな』と感じるくらいから始めて、慣れてきたら少しずつ伸ばすのが続けやすいんです。

じゃあ逆に、中高年だからゆっくり泳ぐだけにしておくべきなんですか?

実はそれ、少し控えめすぎるとされているんです。体調や持病に気をつけながら、段階的にであれば、少し息が上がるくらいの中くらいの強さも取り入れていけますよ。
無理に追い込む必要はありませんが、ずっと同じ楽なペースだけ、と最初から決めてしまわなくても大丈夫。タクミさんの「チャレンジしたい」気持ちは、段階的に使えばちゃんと味方になります。

なるほど、いきなり全開じゃなくて、少しずつ上げていくのはアリなんですね。それならやる気出ます!

その調子。それともうひとつ、軽い筋トレも添えたいんです。年齢を重ねると、とくに瞬発的に力を出す筋肉が落ちやすいので。

筋トレって、ジムに通わなきゃダメですか?時間なくて…。

いえいえ、スクワットを軽く、ペットボトルを持って腕を動かす、で十分です。家でできる範囲で週2回ほど添えると、より健康的とされていますよ。
やりがちな注意点
最後に、タクミさんタイプが特にハマりやすい落とし穴を3つ。ここを知っておくだけで、続く人と三日坊主で終わる人が分かれます。
| 落とし穴 | こうする |
|---|---|
| いきなり追い込む→関節や筋肉を痛める・翌日ぐったり | 最初の数回は「軽すぎるかな」くらいでちょうどいい |
| 体調が悪い日も頑張ってしまう | 寝不足や風邪気味の日は休む。続けることと毎回頑張ることは別物 |
| 水の中だから水分をとらない | 泳いでいる間も汗はかく。前後にこまめに水分を |

水の中でも汗をかいてるなんて、まったく気づきませんでした!

あと…『20分以上泳がないと脂肪は燃えない』って聞いて、長く泳がなきゃってプレッシャーもあって。

その考え方は今では古いとされているので、短い時間からでも気にせず始めて大丈夫。最初から長時間、と思い込まなくていいんです。

なんだ…!じゃあ僕、飛ばしすぎずに、まず短い時間から始めてみます。やってみます!

その意気ですよ、タクミさん。週2〜3回・無理なく、食事の見直しと軽い筋トレも少しずつ。一緒にゆっくり続けていきましょうね。
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