
コーチ、体幹を鍛えるなら腹筋(上体起こし)100回! 毎日やってます。数をこなせば強くなりますよね?

毎日続けているのは立派です。100回という回数より、姿勢を保てる回数と、水泳で使いたい動きに合わせて種目を選びましょう。

え、腹筋運動が体に悪いってことですか?

腹筋運動が全部悪いわけではありません。反動を使って大量に繰り返す、痛みを我慢する、目的を考えず回数だけを追う。この三つを避けることが大切です。
まず結論|上体起こしは「禁止」ではない
先に結論
上体起こしは、反動を使わずフォームを保てる回数で行います
- 見直したい:反動を使った大量反復、痛みを我慢する練習、回数だけを追う方法
- 取り入れやすい:フォームを保てる範囲のプランク、サイドプランク、バードドッグ
- 大切なこと:種目名より、目的・負荷・頻度・本人の症状で選ぶ
上体起こしが見直される理由と、誤解しやすい点
上体起こしで腰が気になるのは、疲れて反動が大きくなった時や、腰を強く丸めたまま回数を重ねた時です。姿勢が崩れる前に終えることを基準にします。
上体起こしは体幹を曲げる運動です。腰や股関節の前に張りを感じる人は、回数を減らすか、プランクやバードドッグへ替えてみましょう。
判断材料は、反動、動かす範囲、フォームの崩れ、これまでの腰痛、練習量です。痛みなく丁寧にできる種目を選びます。

では、上体起こしを100回やったら必ず腰を痛める、という話ではないんですね。

そうです。体の状態や負荷への慣れ方は人によって違います。ただ、フォームが崩れた100回を続けるより、目的に合う種目を質よく行うほうが取り組みやすいですよ。
水泳の体幹は”丸める力”より”軸を保つ力”
大事な前提を1つ。
水泳で体幹に求められるのは、体を固める力だけではありません。
姿勢を保つ、必要な範囲で回旋する、手足の力をつなぐなど、泳法や局面に応じて複数の働きが必要です。
ストロークやキックで生まれた力を全身へ伝えるには、不要なブレを抑えながら、必要なローリングやうねりを妨げないコントロールが大切です。
水泳向けの体幹トレでは、姿勢を保ったまま呼吸し、手足を動かせることを練習します。

なるほど…。じゃあ具体的に、何をどうやればいいんですか?

まずは器具なしで始めやすいプランク、サイドプランク、バードドッグをやってみましょう。前後・左右・対角の3方向から姿勢を保つ練習ができます。
① プランク|”一直線”の基礎

うつ伏せから、肘を肩の真下について、つま先で体を支え、頭からかかとまで一直線に。
お腹を軽く引き込み、お尻を締めます。
目線は真下、呼吸は止めません。
よくある失敗は、お尻が落ちて腰が反る/逆にお尻が上がって山になる/首がすくむの3つ。
鏡や動画で”一直線”を確認しましょう。
プランクは、けのびのように体を長く保つ感覚を陸上で確認しやすい種目です。
プランクで姿勢を作ったら、プールでも頭の位置、呼吸、キックを合わせて確認します。
目安は20〜30秒×2〜3セット。
ぐらつかず保てる時間で十分です。

20〜30秒でいいんですね。100回よりずっと短い。

時間より”一直線が崩れないこと”が大事だよ。崩れたら、そこで終わりでいい。
② サイドプランク|”横のブレ”を止める

横向きになり、下の肘を肩の真下について、両足を重ねて、頭から足まで一直線に持ち上げます。
腰を落とさず、体を前後にねじらないのがコツ。
失敗しやすいのは、腰が下がる/体が前に倒れる・後ろに反ること。
きつければ下の膝をついて負荷を下げてOKです。
サイドプランクでは、横方向に姿勢を保つ感覚と体幹側面の持久力を練習できます。
クロールや背泳ぎの大きな横ブレには、体幹だけでなく入水位置、キャッチ、キックの左右差も関係します。水中の原因と切り分けて考えましょう。
目安は左右15〜20秒ずつ。

ローリングの軸…! 泳ぎのブレと直結してるんですね。
③ バードドッグ|”ねじれ”に耐える

四つ這い(手は肩の下、膝は腰の下)から、対角の手と足をまっすぐ前後に伸ばし、背中を水平に保ちます。
伸ばしたときに体が傾かないよう、ゆっくり動くのがポイント。
失敗は、腰が反る/骨盤が左右に傾く/バランスを崩して速く動くこと。
お腹で体を支え、水面のように背中を平らに保ちましょう。
これは体のねじれに耐える力(反回旋)と背中側の安定を養います。
プランクは前後、サイドプランクは横、バードドッグは対角のコントロールを練習しやすく、三つを組み合わせると偏りを減らせます。
目安は左右5〜8回ずつ、ゆっくり。

前後・左右・ねじれ! 3つで全部カバーできるんですね。よくできてる。

三つで前後・左右・対角のコントロールを練習できます。次の水泳練習では、けのびやキックで体の軸が保ちやすくなったか確かめましょう。
安全に続けるための判断基準
| 見直したい状態 | 調整方法 |
|---|---|
| 反動で起き上がる | 回数を減らし、動きをゆっくりにする。目的に応じて別種目へ変更 |
| 姿勢が崩れても続ける | 崩れる直前で終了。短い時間・少ない回数から積み上げる |
| 呼吸を止める | 会話できる程度の呼吸を保ち、力みすぎない |
| 痛みやしびれが出る | その場で中止。続く症状や脚への放散痛は医療機関へ相談 |
痛みがある場合
トレーニングで診断や治療を代用しないでください
強い腰痛、脚へ広がる痛みやしびれ、力が入りにくい、発熱、転倒後の痛み、排尿・排便の異常などがある場合は運動を中止し、早めに医療機関へ相談してください。持病や治療中の腰痛がある方は、医師・理学療法士の指示を優先します。
まとめ
- 上体起こしは反動を使わず、姿勢を保てる回数で行う
- 水泳の体幹は”丸める力”より軸を保ち・ねじれに耐える力
- プランク(前後)・サイドプランク(左右)・バードドッグ(ねじれ)の3つで全方向を
- 回数より一直線を崩さない質。各20〜30秒/左右15〜20秒/左右5〜8回が目安

100回という数字にこだわらず、まずは三つを丁寧に試してみます。

いいですね。呼吸を止めず、姿勢が崩れる前に終えましょう。痛みやしびれが出たら中止してください。
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